2013 Fiscal Year Annual Research Report
16~19世紀中国貿易陶磁流通構造の調査研究:東アジア、東南アジア、北米を中心に
Project/Area Number |
23520926
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
森 達也 愛知県立大学, 日本文化学部, 客員研究員 (70572402)
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Keywords | 貿易陶磁研究 / 中国陶磁研究 |
Research Abstract |
本研究は、中国貿易陶磁の分布がほぼ全世界に広がった16世紀から19世紀を研究対象時期とし、該期の貿易陶磁生産窯址出土資料と各地で発見されている沈没船引揚げ陶磁、各地の都市遺跡や港湾遺跡で発見された資料を比較研究し、当該時期の中国陶磁の貿易システムを解明することを目的として実施した。 該期の中国貿易陶磁生産地である景徳鎮窯(江西)、章州窯(福建)、徳化窯(福建)、広東諸窯を綿密に調査し、これまで明確にされていなかった18-19世紀の景徳鎮窯製品と徳化窯製品の差異を明らかにしたほか、福建・広東産とされていた17世紀前半の粗製磁器が景徳鎮窯製品であることを確認、18-19世紀の産地不明の貿易陶磁が広東窯の石湾窯や潮州窯の製品であることを明らかにするなど、該期の中国貿易陶磁の産地同定研究を大きく進展させた。 また、日本、台湾、フィリピン、ベトナム、メキシコでの貿易陶磁出土状況の確認調査を実施した。ベトナムでは宮城遺跡であるハノイのタンロン遺跡の出土資料、メキシコではメキシコシティのテンプロ・マヨール出土資料、台湾北部の十三行遺跡、台湾南部のゼーランディア城、フィリピンの沈船資料、マニラ市街遺跡出土資料など該期の中国貿易陶磁を研究する上で極めて重要な資料を実見調査し、該期の中国陶磁流通システムを解明するための基礎資料を得た。
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