2012 Fiscal Year Research-status Report
ベトナムにおける韓国人ディアスポラの融合・隔離・妥協
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23520954
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金 どぅ哲 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (10281974)
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Keywords | 韓国人ディアスポラ / エスニック / 隔離 / 妥協 / ベトナム / 韓国 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は,東南アジア最大の韓国人コミュニティが形成されているベトナムのホーチミン市を事例に,①韓国人ディアスポラの社会経済的な属性と移住動機および生業の変化を明らかにするとともに,韓国人ディアスポラとベトナム人コミュニティの両方からアプローチし,②ホストコミュニティであるベトナム人社会との相互作用の経路,③ホストトコミュニティとの融合・隔離・妥協の政策・経済・社会的要因を明らかにすることを目的とする。 平成24年度には,前年度までに得られたデータを基に,ベトナムにおける韓国人ディアスポラに関する聞き取り調査を続けるとともに,ホストコミュニティであるベトナム人社会との相互作用の経路を把握するために,韓国人集中地域でおもに韓国人を客層とするベトナム人自営業者および韓国人経営者のもとで働いているベトナム人従業員を対象にインタビュー調査を行った。さらに,韓国にてホストコミュニティとの妥協点を見出せず帰国した韓国人に対する聞き取り調査も前年度の引き続き行った。 その結果,①ホーチミン市内には移住動機や時期を異にする韓国人集中地域が形成され,韓国人ディアスポラ集団間の断絶が確認された。これらの集団形成の主な要因としては,移住時期と職業および居住地域以外にもベトナム人との婚姻の有無が大きく関わっていることが明らかとなった。②上記の韓国人ディアスポラの社会的分化は,彼らのベトナムでの定住意識と韓国への訪問頻度にも影響を与え,自己を移民ないし移住者として認識するグループ,両国を同時に定住地として認識する新たなディアスポラのタイプ,そして単なる長期滞在者として認識しあくまでベトナム社会から自己を客体化するグループに分けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査により韓国人ディアスポラの全体像が把握でき,質的な情報が確保でき,おおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年には前年度の質的調査の成果を生かして,韓国人ディアスポラの移住・定住意識に関するアンケート調査を実施する予定である。また,前年度までの質的な現地調査も引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に約10日間程度の短期の現地調査を続けるための旅費と,現地でのアンケート調査のための費用に充てていきたい。
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