2011 Fiscal Year Research-status Report
小規模離島における持続可能な居住システムの構築について
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23520962
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須山 聡 駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)
宮内 久光 琉球大学, 法文学部, 教授 (90284942)
松井 圭介 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (60302353)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 小規模離島 / 脆弱性指標 / 無人島化 / コミュニティーの維持 |
Research Abstract |
平成23年度の研究は, 研究全般の基礎作業として小規模離島に関するデータベース 化を進めた.(1)統計資料類から人口規模,高齢化率,定期船や学校,病院の有無などの島 嶼別データを収集した.これらの量的データのほか,(2)「小規模離島の居住基本条件に関 するアンケート調査」を実施した. (1)については,主に平成17年度の国勢調査を使用し,人口規模別に小規模離島を抽出 したうえ,地域の脆弱性指標として高齢化率などを加味して検討,類型化を進めた.そ の結果,人口規模が500人以下の島が全国で211島,うち100人以下の小規模離島は110島 であった.50人以下では77島となり,10人以下の島も19島あった.これらの島々の高齢 化率は100%の島が6島,80%以上の島が18島あり,人口規模が50人以下の島のほとんど が超高齢化の島である.人口規模が小さな島ほど老人の島であることが明らかになっ た. 今後,小規模離島は地域の脆弱性が一層進めば,生活やコミュニティーの維持がさらに 困難となり,無人島化が現実味を帯びることとなる.この喫緊の問題のため(2)の予察的 なアンケート調査を瀬戸内海西部地域の島々で実施した.その項目は,1.就業形態 2. 定期航路の有無とその実態 3.急患者の対応方法 4.生活必需品の入手方法 5.地域コミ ュニティの有無などであった.現在アンケートは集計,分析中であるが,それぞれ島々 で,これらの問題について対応の実態が明らかになりつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計類からの小規模島嶼のデータベース化と,地域を限定した予察的なアンケート 調査を実施し,小規模離島の概要が把握できたこと. ただ,データベースに関しては,地域コミュニティーに関わるデータが不十分で あり,質的データを量的にカウントして追加する必要があると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
一層の小規模離島のデータベースの充実を図り,小規模離島の類型化を進展させる. この作業後,調査する離島を絞り込み,市町村などと連携を図り,フィールドワーク を実施する.フィールドワークは,ライフヒストリーなどの個別調査が中心となる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本格的なフィールドワークの実施に当たり,研究費の多くを調査費用の「旅費」に 充てる。 このほかUSBなどの情報関係の「消耗品」を購入,さらにアンケートの集計整理のア ルバイト費を「謝金」に,成果の英文報告書作成のため校閲費用を「その他」などと して研究費を使用する。
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