2012 Fiscal Year Research-status Report
地方中規模都市における公共交通指向政策導入に関する地理学的検証
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23520963
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
石川 雄一 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (00232273)
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Keywords | 公共交通指向政策 / GIS / 都市縮小 / 都市地理学 / 交通地理学 / コンパクトシティ政策 / 小地域統計 |
Research Abstract |
デスクワークとしては、今年度も昨年度に引き続きGISを活用した公共交通沿線の空間分析を行った。具体的には、長崎、富山を中心に広島、松山、高知、熊本、鹿児島ならびに国外ではストラスブール、リール、ダラス、ポートランドの都市域における路面電車LRT,ミニ地下鉄沿線の土地利用、人口、雇用分析に関する分析を行った。分析に用いたデータは国土数値情報詳細土地利用メッシュ、国勢調査基本単位区集計、昨年度刊行された経済センサス調査区集計、USAセンサスセンサスブロック集計ならびにACSの社会調査データ、フランスセンサスIrot人口データ、IRIS人口・経済データならびに対応GISマップである。なお高額な統計データならびにGIS用マップは逐次入手しているために、散発的な分析で全体的な動向を考察するの次年度に譲りたい。 分析の手順は、これらの統計データと地図を活用し、富山市の公共交通指向政策(TOD)に照らし合わせて、駅から半径500m圏内の土地利用、人口変化、雇用変化を分析した。その結果、現時点では、長崎市が高密度な土地利用で公共交通維持に優位であることが示された。TODを実施している富山市では、他都市とくらべて低密度な土地利用で今後の政策による変化に着目する必要が認められた。 フィールドワークとしては、国内では長崎の現地調査と資料収集、フランスのリールにおける資料収集と土地利用の調査を行った。リールでは市街地図とLRTおよびミニ地下鉄の路線図などを入手し、複数の駅周辺の土地利用を現地調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研申請時には予測していなかったことであるが、2011-12年度にかけて大学の役職(学部長)に命じられたため、若干の遅れがあった。2013-14年度にかけても役職留任となったが、研究活動では当該活動を最優先して実施する予定である。 また複数都市における分析で、高額な統計データは他の研究資金と共有しながらを散発的に集めているので、分析が散発的になり、全般的な成果はまだ出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は既存資料を用いた分析を完了させる予定である。なお新規のデータは今後も出てくるので分析に付け加えていく。 また調査関係では、国内の調査を他の研究資金とも共有しながら深めていき、海外の資料や現地調査も引き続き継続するものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学内の研究資金、行政との受託研究なども活用しながら、国内外の公共交通指向政策の検証を引き続き行う。国内に関しては、昨年度までにほとんどの分析に要する統計類を入手したので、あとは新規に刊行されたもののみにとどめる、海外においては、北米はフリーのデータが入手可能である。したがって、今年度研究費の約7割は西欧の有償統計類と地図の入手と、北米の公共交通が発達している都市の現地踏査に割り振る。のこりの3割は消耗品や国内調査の旅費に活用する。
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