2012 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域におけるソフト施策の立案とその実効性に関する研究
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23520966
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮口 とし廸 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80097261)
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Keywords | 過疎対策事業 / ソフト施策 |
Research Abstract |
平成24年度は、大分県竹田市・豊後大野市・由布市、岡山県新見市・高梁市、長崎県小値賀町、岩手県西和賀町、徳島県上勝町・勝浦町・佐那河内村、沖縄県大宜味村・国頭村・宮古島市に、過疎対策ソフト施策の実施状況について、それぞれ現地調査を行った。22年度からソフト事業への過疎債の充当が可能になったため、23年度にはまだ経過措置的な立案が多かったのに対し、24年度には多くの市町村で新しいソフト事業が立案されている状況を確認することができた。 豊後大野市では、旧緒方町で実施されていたコミュニティバス・スクールバス・患者輸送バスの統合によって公共交通の利便性を高める事業が、過疎対策事業として合併後の全市内で順次展開されることになった。また、上勝町では有名になった「いろどり事業」の経緯を映画化し、さらにその事業を支えるソフト施策が立案されていた。佐那河内村では、村づくり住民会議が、村とそれぞれの地区の方向を考える新しい中心組織として22年度につくられ、すでにかなりの成果を上げていた。国頭村では、へき地診療所の村負担分、やんばるの森ビジターセンターの管理委託に加えて、観光客の受け入れ窓口を過疎対策事業で開設した。宮古島市では旧町村では住民発の地区ごとの活性化事業に、旧平良市では公募型の活性化事業に過疎債を充てるほか、市立学校の選手派遣事業を過疎対策に追加した。離島としておおいにいみのある事業であろう。 上記のように法律改正にあたって重要項目とされた、医療の確保、公共交通の活性化、集落への目配りなどにかかわる新規事業が生まれており、次第にソフト事業の立案が望ましい方向に向かっていることを確認することができた。 なお使用経費に旅費が予定よりも大きな割合を占めるのは、同行した研究協力者が謝金を辞退したため、その分調査個所を増やしたためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度と24年度ですでに北海道・東北・中国・四国・九州・沖縄の各地方の現地調査を実施し、新しく立案された過疎対策ソフト事業の傾向はかなり把握することができた。特に数か所で新しい過疎法のソフト事業の趣旨に沿う新規事業が立案されていることを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、残された関東・中部・近畿の各地方から調査地域を選定し、現地調査を実施する。最終年であることから調査は早目に実施し、さらに全国の注目すべき事例について、費用の許す限り補足調査を行う。すでに現地期間との関係が形成されているので、補足調査の一部は通信によっても可能である。 年度の後半は23年度からの調査資料の体系的整理にかなりの時間を要する。新たなタイプの過疎対策事業の全国的傾向と地域的特徴を見出し、過疎地域の活性化に資する事業としてどのようなものが望ましいかについて、提言としてまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度も現地調査のための旅費が大きな割合を占める。レンタカーの運転とヒアリングの記録のために同行する研究協力者の旅費と謝金を合わせて、77.5%を占める予定である。現地調査は4か所を予定しているが、現地機関の便宜によっては経費が節約され、その場合には調査地域を増やす予定である。
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Research Products
(1 results)