2014 Fiscal Year Annual Research Report
伝承主体における伝承の主体化・内面化についての民俗学的研究
Project/Area Number |
23520977
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳丸 亜木 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90241752)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 伝承 / 伝承主体 / 内面化 / 客体化 / 主体化 / 民俗文化財 / 語り / 歴史認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年度であり、期間中の調査資料、およびデジタルアーカイブ化資料の最終的な整理と分析を実施するとともに、科研課題に関わる調査を継続した。 本科研の研究目的の一つである離島の祭礼行事と伝承主体にみる内面化を考察する目的で、2014年4月11日~13日にかけて山口県萩市大島年祝い行事調査を実施した。島嶼部漁村の萩市大島は、現在、極めて活発に漁撈活動が行われている漁村であり、また、共同体による厄祓い儀礼である「年祝い」など古くからの行事が再編されつつ維持され、共同体結合の要となっている。島という場において維持される共同体行事の伝承について考察するための調査を実施し、デジタルメディアによる映像記録を作成するとともに、かつての「年祝い」についての聞き書きを実施した。また、研究目的の一つである移動、移住にみる伝承と伝承主体にみる内面化を考察する目的で下関市湯玉浦巨文島移民経験者調査を継続した。明治から現代にかけて、日本の漁民が外部との接触、進出を果たす中で、如何に維持、再構築し、あるいは新たな伝承を創造したかを考察し、更に同市大河内地区において伝承主体における歴史認識と内面化に関わる調査を実施した。 デジタルビデオ・8mmビデオのデータベース化については、最終的に291本、約385時間のテープについて実施を完了した。2010年度以降はメモリー記録式のデジタルビデオによる記録に移行した為、以降のデータについては、そのままデータベースへと統合した。デジタル化したデータのサイズは2.7TB、デジタルビデオによる記録を含めると約5TBである。 また、科研成果報告書『伝承主体における伝承の主体化・内面化についての民俗学的研究 平成23~26年度科学研究費補助金 基盤研究(C)一般 研究成果報告書』を2015年3月に印刷刊行した。
|