2013 Fiscal Year Research-status Report
開発から実践へ-安心院農村民泊による地域再生のモデル化と移植に関する政策的提言
Project/Area Number |
23520978
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前川 啓治 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80241751)
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Keywords | 開発 / 地域づくり / 農村民泊 / 観光 / フットパス / アクター / エージェンシー / グローカル |
Research Abstract |
今年度は、農村民泊単独での観光活性化の難しさを前提に、むしろ現在とくに注目を集めているフットパスの整備を主眼にした。早くからフットパスの整備に力をいれている北海道、また、現在急激に整備が展開されている九州のフットパス組織の動向や手法を参考に、筑波山麓地域においても、つくば市経済部観光振興課とともに、フットパスルートマップ作成と道標の設置を行ってきた。とくに今年度は、筑波山神社から六所神社、蚕影山神社を通り、神郡の江戸時代の屋敷を経由するルートの調査および設置を行った。 さらに、フットパスの本家ともいうべきイギリスのフットパスおよびウォーカーズ・ウェルカム・タウンにより地域おこしを進めているコッツウォルズ地域の専門家を講師として招き、国際シンポジウムを開き、イギリスのフットパスと日本のフットパスの比較を行い、日本、とくに筑波山麓地域での展開の可能性についてディスカッションを行った。また、既に設置されている筑波山麓フットパスコースのコースとしての完成度の検証も行った。 観光者が、フットパス・ウォークにおける地元の人とのコミュニケーションを通し、自らのペースで地域の自然や歴史を時間をかけ身近なものとして理解するプロセスを、農村民泊と接合することによって、よりトータルなモデル構築の可能性を探った。 また、今年度もジオパークツアーや遺跡を利用した観光展開など各地の実態調査を継続し、自然態でのもてなしというコンセプトを基礎にした農村民泊・フットパスの展開とのさらなる融合の可能性も模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筑波山麓地域の竜巻被害からは復興してきているが、その際に計画されていたコミュティ・レストランの設置などは、引受担当者の不在などで実施が困難になった。農村民泊と融合させるのに、フットパス整備を先行させ、より多くの潜在的ビジターをこの地域に引き寄せた上で、縁側カフェなどから徐々に展開し、宿泊を伴う農村体験にまでひろげ、もてなしを軸にしたオルターナティブな観光モデルの構築と筑波山麓での適用を引き続き考えている。 宿泊を前提とした展開の担い手という観点からは、モデルの適用が難しい点もあり、引き続き柔軟な現地適応を考えてゆく必要がある。予想以上の困難はあるが、なんとか想定している進行状況とはいえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
現在急激に整備が展開されている九州のフットパス組織の展開や手法を参考に、安心院の農村民泊-フットパス・ウォーク統合モデル構築を目指し、現地調査を再度入念に行う予定である。筑波山麓地域においても、つくば市経済部観光振興課とともに、フットパスルートマップ作成と道標の設置を行ってきたが、今年は山麓地域に限定せず、伝統的な地域と地域を繋ぐフットパスコースの発案・設置を目指す。 農村民泊の担い手という観点からは、必ずしも筑波山麓地域に限定せず、矢田部や茎崎といったつくば市南部地域周辺の伝統的な農村地域における展開の可能性も探るため、インタビュー調査を予定している。 また、引き続き、筑波山麓地域のアクターに関しては、地域の文化資源についての語りを視聴覚データ化し、保存し、将来のインターネット・ツールなどを通した視聴覚情報の提供のための基礎づくりを行ってゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ソフトウェア購入の会計処理が平成25年度中に間に合わなかったため。 ソフトウェア購入費は、次年度の支出とする。
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Research Products
(2 results)