2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヤップ出身者の脱領域的公共圏と文化的アイデンティティ
Project/Area Number |
23520979
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
柄木田 康之 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80204650)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ヤップ / ミクロネシア / 移民 / 公共圏 / オセアニア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は平成26年5月22-30日に米国ハワイ州カイルア・コナ地区に滞在し在ハワイ島ヤップ州離島出身者アソシエーションによって開催された卒業記念祭の参与観察と聞き取り調査を行った。また平成27年3月7ー11日にミクロネシア連邦ヤップ島, 12ー18日にポンペイ島、19ー21日に米国グアム島に滞在し、それぞれの地域の移民リーダーのインタビューによって、ヤップ出身者の近況について確認した。また平成26年5月15-18日に開催されたIUAES Inter-congress 2014において”Resisting monetization of land and life: The case of the outer islanders of Yapを発表し、本研究の概要を発表した。 ハワイ島に居住するヤップ離島出身者は自らをRemathau(海の人々)と意識し,ハワイ島社会全体と同様に,教育達成などの社会的価値を共有していることを強調する。このため近年,幼稚園から大学まで,全てのレベルの学校のヤップ州離島出身卒業生を顕彰する集会を5月末の休日に開催している。 2014年には、顕彰集会は「Hataramal Waagei(未来を照らす)」と題され、戦没者追悼記念日の前日の日曜日である5月24日に、ヤップ州ウルシー環礁出身者が経営者である造園会社施設内で開催された。集会はハワイ島在住のヤップ州離島出身者が中心となったが、ハワイ島在住の学校卒業者ばかりではなく、オアフ島、マウイ島、米国本土の学校卒業者と関係者が参加し、離島出身者のリーダー、近隣の高等学校長、ハワイ大学ヒロ校職員等が招待され、2014年度卒業生の学業を顕彰した。また翌日には同じ会場で共食、会計、踊り等、集会の運営に関する反省会が開催された。集会はハワイ島におけるヤップ州離島出身者の地位の向上を目指すものであったが、同時に伝統的航海術等のヤップ州離島の伝統文化を顕示する機会でもあった。
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Research Products
(3 results)