2012 Fiscal Year Research-status Report
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23521001
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
神田 より子 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (40247424)
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Keywords | 山岳信仰 / 鳥海山 / 修験 |
Research Abstract |
前年に引き続き5月と7月に調査研究協力者と共に現地調査を行い、資料収集をした。その結果、現地で収集できた資料が膨大になったため、資料のコピー代金と、それにかかわる資料整理のため現地作業員を雇い入れて作業に当たってもらった。その結果、賃金が予想を上回ったため、補助金の前倒し制度を使って、39万円を受け入れた。この作業は2013年2月いっぱいで終わり、すべての資料のコピーと整理を終了できた。次年度にはこれらの分析を進め、報告書を作成する計画である。 また2012年9月には、山岳修験学会大峰山大会において、これまでに調査研究した成果の一部を発表することができた。 2011年度から当研究費を用いて、鳥海山麓修験に関して当該地域の現状を把握するため、最近刊行された雑誌や自治体刊行物を収集し分析をしてきた。 またかつての修験集落である山形県遊佐町蕨岡と吹浦、秋田県にかほ市小滝、由利本荘市矢島と滝沢の5集落と、それらを所轄する市と町で現在行われている史跡指定へ向けての動きを調査、分析し、場合によっては随時提言も行ってきた。その結果、2012年度には『史跡鳥海山保存管理計画書(秋田県版)』が完成した。それらを受けて、2013年度には研究代表者の実績を含めて、地域住民を対象にした講演などで発表し、報告書を提出する。 そしてこの計画を踏まえて、2014年度には2市1町の協力の下で、山岳修験学会鳥海山大会を誘致する計画を立てている。この大会を行うことにより地域住民だけではなく、広く全国の研究者にこれまでの研究成果を発表、報告ができる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では平成7年以降の鳥海山修験道文化研究の実績を踏まえ、平成18年から始まった世界遺産登録を目指した営みや、史跡指定による国家からの働きかけを土台にして、地域住民が県境を越えてまとまりを見せ始めたプロセスを通して、「地域住民の主体形成」や過疎地化の中で「新たなアイデンティティ獲得」を目指す地域住民の営みを分析し、地域研究に多角的な視野を提供することを目的としてきた。 史跡指定のプロセスに全面的に関与しながら研究できたため、この成果が地域住民に及ぼした影響について、幅広く観察することが可能となった。またそれを裏付ける資料の収集も着実に進んだ。それ故、今回の研究に関する成果の達成は次年度に着実に遂行できるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集した資料の分析が次年度の研究の中心となる。次年度は本研究の最終年度となるため、その成果も報告書として提出する予定である。それ故、次年度の研究費の多くは印刷費として使用することとなる。 また平成26年度の開催予定の山岳修験学会のプレ大会として、次年度には地域の一般住民を対象にした講演を計画している。そのためこれまでの研究成果をまとめる形で研究を進めることができる。またこの講演記録も最終報告書に盛り込むことを予定している。そのため補足調査などにも研究費を使用することになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように次年度は本研究の最終年度に当たるため、これまでの3年間の研究成果を報告書として作成する。そのための印刷紙として30万円を予定している。補足調査として旅費に10万円を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)