2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23521001
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
神田 より子 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (40247424)
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Keywords | 山岳信仰 / 鳥海山 / 修験 / 地域間の葛藤 / 矢島 / 瀧澤 / 醍醐三宝院 / 当山派 |
Research Abstract |
本研究は、日本における修験道文化の地域的な展開を考察し、その今日的な課題を探ることを目的とし、これまでの研究成果を踏まえ、地域の修験道文化がどのように展開し、受容されていったのかを探求した。方法としては、現代の地域社会が抱えている課題と絡めながら考察してゆくというもので、これまでの研究成果を批判的に検証しながら、研究代表者の研究成果を踏まえ、その上で日本における修験道文化研究の抱える問題点を解明してゆくことを最終目標とした。 3年間の実績として地域社会に埋もれていた鳥海山信仰関連の古文書の蒐集とその解読、文献目録の作成、その成果として地元における成果報告講演会、報告書の作成等を行ってきた。以上のことを踏まえ、平成26年度9月に行われる日本山岳修験学会鳥海山大会においてその成果を示す予定である。 それまでに地域社会で行ってきた成果は、鳥海山が国の史跡に指定されたことを踏まえて、鳥海山を取り巻く、山形県遊佐町、秋田県にかほ市、同県由利本荘市が中心となり、『史跡鳥海山報告書』を作成すべく、現在印刷中である。神田は第4章「鳥海山の修験と文化」を担当した。これが鳥海山の修験道の全容を記した初めてのものとなる。これまで地元でしっかりとした史料批判を行うことなく作られてきた市町村史や郷土史を、新しい研究の知見を踏まえて訂正した内容となっている。またそれらを踏まえて、2月初旬には地元の方々を対象にした鳥海山セミナーにおいて「鳥海山の修験」と題して90分の講演を行った。 今後さらなる資料の発見可能性もあり、鳥海山の研究が今回の科研の調査をきっかけに盛んになることが期待できる。
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Research Products
(1 results)