2014 Fiscal Year Research-status Report
韓国、米国、日本在住中国朝鮮族のネットワーク化に関する文化人類学的研究
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23521005
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
原尻 英樹 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70231537)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 移動志向と定住志向 / 共生的他民族関係 / 前近代的身体と共同性 / ネットワーク志向 / 国境意識の希薄化 / 都市での再ネットワーク化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年9月から一年間、中国朝鮮族調査・研究のための海外出張になったので、中国国内での調査がこれによって可能になった。2014年度の成果は、この中国出張に依っている。中国調査の目的は、海外に出て行った朝鮮族の生活の方法が、中国での朝鮮族ムラでの生活に基づいていると考えられるので、その内実について調査することである。 成果の一部分は、英文の共著論文にも書いた(ただいま、審査継続中)。朝鮮族のムラの形成の具体的過程について、(1)朝鮮人の焼畑農業と水田耕作農業に基づく、移動志向と定住志向との関係、(2)焼畑段階での自己完結的生活設計と、水田耕作一般化以後の朝鮮人集落形成への移行、(3)移動を含んだ定住化と、近接漢族農家との共存関係、(4)朝鮮族ムラにおける身体の共有化:農業と踊り、(5)朝鮮の伝統文化である、契による集団形成と、中国政府による年齢別集団形成との関係、さらに、現在進行中の過程については、以下の成果があげらえる。(6)朝鮮族ムラの崩壊に伴う、民族学校の変容、(7)青島を中心とした地域における朝鮮族ムラ開発プロジェクトの発展、(8)朝鮮族のネットワーク形成に、同郷会という新たな組織形態が加わってきたこと、(9)朝鮮族の出身地域中心のネットワークと朝鮮族であるということ(中国全体の朝鮮族という観点)の関係、(11)中国ー韓国の往復に伴う、「国境意識」の希薄化、(12)都市生活への移行に伴う、都市における朝鮮族ネットワーク形成、以上になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中国での調査を海外出張という形で継続できたため、もともとの朝鮮族ムラでの生活のあり方について十分に調査できたたけでなく、朝鮮族の現状についても調査できているから。
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Strategy for Future Research Activity |
既にデータ的には十分になっているので、今後は朝鮮族研究者等の研究者との意見交換などを通じて、分析をすすめて行く予定である。 この分析の過程で、論文を複数出版し、その後は著作を出版するつもりである。
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Causes of Carryover |
必要な文献が十分に出版されておらず、また、基本的な海外出張旅費は別途支給されたために、研究費をそれほど使う必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国国内での調査を広範囲に実施することと、中国国内在住の研究者との意見交換をするために、旅費として研究費を使い、研究を充実させることにつとめる。また、現地での資料も購入するために、研究を使う。
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