2012 Fiscal Year Research-status Report
中世ドイツにおける城主支配領域から領国の地方行政組織への発展の研究
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23530007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
櫻井 利夫 金沢大学, 法学系, 教授 (80170645)
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Keywords | 城塞支配権 / 中世盛期 / ドイツ帝国 / フランス王国 / シャテルニー |
Research Abstract |
私はドイツに関し、領主直営地を具え領主館を中心とするグルントヘルシャフトGrundherrschaft(ヴィリカツィオーン制Villikationsverfassung、フローンホーフ制Fronhofssystem)から、城塞を中心としその周囲に形成された城塞区=シャテルニー制を通じて、この城塞区=シャテルニー制を基礎としつつ構築された領国ないしランデスヘルシャフトの地方行政区アムトAmtへの発展線を描くことができるのではないかという展望をすでにもっている。 昨年度はこのような展望を背景とし、特に13世紀という中世盛期から中世後期への移行期を主な対象時期としつつ、北ドイツのヴェルフェンWelfen家の支配領域について、上述した意味での城塞支配権の存在を究明すると同時に、この城塞支配権がランデスヘルとしてのヴェルフェン家の地方行政組織の基礎をなしたことを明らかにする研究課題に取り組み、この課題を達成することに成功し、勤務先大学の研究紀要に、これに関する論文を掲載した。 さらに、同じ研究課題を、南東ドイツの貴族ファルケンシュタイン家の支配領域とその城塞についても、文献と史料に即しつつ究明を進め、課題を達成することができる見通しを得ることができた。これについても今年度中に研究成果の一端を論文の形で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
13世紀という中世盛期から中世後期への移行期を主な対象とし、北ドイツのヴェルフェンWelfen家の支配領域について、フランスと同様の城塞支配権の存在を究明するとともに、この城塞支配権がランデスヘルとしてのヴェルフェン家の地方行政組織の基礎をなしたことを明らかにすることに成功し、大学の研究紀要にこれに関する論文を発表することができた。 また、同じ研究課題を、南東ドイツの貴族ファルケンシュタイン家の支配領域とその城塞についても、文献と史料に即しつつ研究を進め、課題を達成しうる見通しを得ている。これについて今年度中に研究成果の一端を論文の形で発表すべく、準備を進めつつある状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来ドイツ西部(ライン川流域)、北ドイツの城塞について、フランス型の城塞支配権つまりシャテルニー(城主支配領圏)が存在したことを究明すべく研究してきた。また同時に、中世のドイツ帝国の全体についてもこのような城塞支配権が存在することも明らかにしてきた。しかしなお、個別的にドイツの各地域について、詳細に城塞支配権の存在を究明する課題が残っており、さらにドイツの南東部(バイエルン、オーストリア等)、中央部(ヘッセン、バムベルク司教領)等についても研究を進めてゆきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入を予定していた消耗品(ファイル等)を購入する必要がなくなったために、次年度使用額が発生した。上記の研究課題を達成するために、なお新たにドイツやフランスの史料集や文献を購入し、さらに学外の図書館での文献の調査収集を行う必要があり、主にこれらの目的のために、次年度使用額と併せて研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)