2011 Fiscal Year Research-status Report
航空管制における協同と責任の法社会学-ビデオ・エスノグラフィーによる質的研究
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23530019
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫田 美雄 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (10282295)
五十嵐 素子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (70413292)
真鍋 陸太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30302780)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 航空管制 / 法社会学 / エスノメソドロジー / 会話分析 / ワークプレース研究 / 相互行為論 |
Research Abstract |
本研究は、社会学上のエスノメソドロジーおよび会話分析、また、ワークプレース研究、ビデオ・エスノグラフィーなどの最新の研究方法論と研究視点を活用して、航空管制場面における複雑なコミュニケーションとそこにかかわる規範的諸活動の実態を、相互行為論的法社会学の観点から、分析するものである。当該年度は、航空管制官教育課程におけるビデオデータ・インタビューデータの収集を実施するとともに、各研究者がそれらのデータの分析を行うとともに、研究会を開催して、各自の分析を共有するとともに、研究報告を行った。詳細は以下の通りである。(1)データの収集。研究対象の航空管制場面におけるコミュニケーションは高度に専門的かつ複雑であることから、航空管制官の養成教育課程における、シミュレーション場面の撮影を許可されて、ビデオを6台利用して、管制官、副官、パイロット、管制官教師、の間の言語的・非言語的なコミュニケーションを撮影するとともに、管制官のレーダー画面をハイビジョン撮影して、人々の活動とレーダー画面とを、合成した映像を作成し、参与者の諸活動ととテクノロジー操作との相互作用を分析するためのデータセットを複数作成した。また、このデータを閲覧しつつ管制教員に場面を解説してもらう、セッションを複数回開催した。(2)分析と研究会。これらのデータセットを各分担者が分析を進めるとともに、研究会を開催した。そこでは、今後の調査・研究の方向性について、データセットの分析方向、方法、論点、について、関連研究の動向紹介、研究方法論の開発と共有などについて、議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究がやや遅れている理由は以下のとおりである。(1)さらなるデータを収集するための、日程調整が、データ提供先との都合などによって、遅れている。(2)各担当者の他の業務などによって、各担当者が一堂に会する研究会が予定した回数実施することに困難が生じることが多い。今後は、データ提供先との調整方法について、改善の努力をするとともに、共同研究会を開催し、困難な場合には、遠隔ビデオ電話などによる共同研究会などの可能性も検討することによって、研究の若干の遅れを取り戻す所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、若干研究・調査上の遅れがあることから、これを回復するとともに、研究目的に沿った行動な研究を進展させる。具体的には、これまで行ってきている航空管制の教育場面の理解に基づいて、分析枠組みと重要なトピックの候補を確定して行く。現在までの調査分析で見出されている重要なトピックは、管制官の権利と責任、管制官と副官との言語的・非言語的コミュニケーション、管制官の言語的コミュニケーションとレーダー操作、管制官とパイロットおよび管制官・パイロット・副官との3次元的なコミュニケーションの態様・共同的活動、などである。こうした諸論点について、エスノメソドロジーやワークプレース研究における諸研究の知見を利用しつつ、世界的にもまれな、航空管制官の規範的な諸活動の実態を、詳細な質的分析に基づいて解明する糸口を探りたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度での若干の研究の遅れに起因して研究費の使用が予定よりも少額であった。次年度以降は、ビデオデータやインタビューデータのさらなる詳細な分析を行うために、持ち越している資金の一部は、外部専門家に音声データ部分のトランスクリプト作成を依頼することによって、分析効率を高める予定である。次年度以降に収集されるデータについても、元航空管制官の協力を仰ぎながら、一般人には聞き取りが困難である部分も多い航空管制官やその他の参与者たちとの実際のコミュニケーション場面を、トランスクリプト化することによって、分析は一段と効率化と性能を高めることが期待される。したがって、トランスクリプト作成費用に研究費を利用する。また、共同の分析セッションを増やすために、遠方からの研究者もいるために、旅費に計上する。また、当面の成果を国際的な関連学会などにおいて報告するための、費用としても利用する。また、今後は、それらの成果を、ウェッブなどにおいて市民に対しても公開していくことを検討するから、そうした観点からも研究費の利用が予定される。
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