2012 Fiscal Year Research-status Report
サイバースペースにおける「表現の自由」論の日米比較
Project/Area Number |
23530026
|
Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小倉 一志 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (20360886)
|
Keywords | 憲法 / 表現の自由 / サイバースペース / インターネット |
Research Abstract |
本研究は、サイバースペース(ないしインターネット)というメディアを表現の自由の観点から考察するものである。サイバースペースにおける表現活動は、リアルスペースにおけるものと比べて「参入障壁」が非常に低く、また、表現内容をより広汎に伝達できることから、サイバースペースが表現の自由に対して持つ意義は非常に大きいものといえる。 私は、予ねてより、 ①サイバースペースにおける表現内容規制を目的とした(アメリカ・日本の)立法及び判例、学説の検討、②サイバースペースをめぐる原理的な理論の検討、 ③「通信と放送の融合」の問題の検討などを行ってきた。2013年度までの研究期間中も、これらの作業を継続するとともに、「コード」(特に、未成年者保護を目的としたフィルタリングソフトウェア)を基軸としたサイバースペースにおける表現内容規制論の「再」構成を(更に)考究してみたいと考えている。 今年度は、論文集(「日本におけるインターネット上の表現内容規制」について分担執筆)・憲法の教科書(「インターネットに対する規制」「自己決定権」「公務員の人権」「教育を受ける権利」の項目を担当)・法学入門の教科書(「表現の自由」の項目を担当)・判例集(「検閲・事前抑制」「集会・結社の自由」の項目を担当)の執筆を行うとともに、日韓比較憲法研究会(タイトル:「表現の自由―日本側から―」)・全国憲法研究会の予備研究会(タイトル:「政治過程におけるインターネットの利用~わが国の過去・現在・近未来~」)における報告も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私の専門である「表現の自由」に関する論考を論文集に掲載すべく執筆したほか、憲法の教科書・憲法の判例集・法学入門の教科書も執筆でき、更には、日韓比較憲法研究会(タイトル:「表現の自由―日本側から―」)・全国憲法研究会の予備研究会(タイトル:「政治過程におけるインターネットの利用~わが国の過去・現在・近未来~」)において報告を行うことができたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、5月に全国憲法研究会における学会報告を控えているため、まずは、この報告準備に注力したいと考えている(報告内容については、三省堂刊『憲法問題』に掲載される予定である)。その後は、マスメディア(法)に関する事典の執筆・論文集への執筆を行い、本学の紀要にも本研究課題に関する論文を投稿したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、親の病気などの家庭の事情から、出張することがままならなかった。次年度は、科研の最終年度でもあることから、今年度の分も出張し、自分の研究テーマに関する知見を広げ、資料収集も国立国会図書館・大学図書館等で積極的に行いたいと考えている。また、私の研究テーマに関する書籍、ノートパソコン、ソフトウェア等も購入させていただきたいと考えている。
|
Research Products
(6 results)