2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たな河川管理行政(流域治水論等)導入における検討課題の行政法学的比較法的解明
Project/Area Number |
23530030
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
磯村 篤範 島根大学, 法務研究科, 教授 (70192490)
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Keywords | 洪水リスクマネジメント / 公助・共助・自助 / 河川管理計画 / 損害の社会的再配分 / クライシスマネジメント |
Research Abstract |
<意義>近時気候変動にる豪雨により洪水等を原因とする大規模災害が発生している。この様な状況に対し、降雨量等に関する情報の共有・活用、カタストロフィーに対応する有機的な危機管理システムが求められている。また、大東水害訴訟最高裁判決以降の水害に対する救済システムの再検討が、重要な課題になっている。<重要性>法制度に関する検討作業は、今後予測される南海トラフ地震等に対応する法システムの検討など重要な課題に対応するものである。また、行政法学上重要な検討課題であるリスクマネジメント概念の検討、権限の配分と情報共有や責任の統合などの理論的検討は、今日的に重要である。<研究目的> 洪水対策の施策・計画の策定とその実施、洪水発生前後のクライシス・マネジメント及び損害の社会的再配分に全体として対応する法制度が求められる。しかし、個別の行政領域では不確定であり、また全体の見直しも不可避とされる。そこで、河川法に焦点を当て、洪水に対する法制度を解明することを目的とする。<研究実施計画> 1年目は、治水行政に焦点を当てて課題を明らかにすることにした。2年目は、1年目で対象とされたテーマに対し、比較法的な検討を行うことにした。そして、3年目に、上記法制度を解明することにした。<到達点> ドイツにおける2009年の水管理法改正は、洪水対策の新たな手法として、洪水リスクマネジメント計画(Hochwasserrisikomanagement-plaene)が導入された。洪水の危険性評価や危険地域指定等、我国で導入された制度と類似し、法的な検討課題を共有する。独法制度の特性を基本的に理解することができてきている。特に、政策的判断や計画策定過程の現行法制度、発生した損害のカタストロフィーに注目される救済システム等、比較法的に有意義な成果が上がってきている。
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Research Products
(2 results)