2013 Fiscal Year Annual Research Report
フランス憲法・行政訴訟における外国人の権利の展開とNPOの役割
Project/Area Number |
23530033
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
菅原 真 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (30451503)
|
Keywords | 外国人の権利 / 国籍 / 人権・市民権 / NPO / 憲法院 / 国務院 / フランス / 国際情報交換 |
Research Abstract |
1. 本研究は、フランス第五共和制下の移民政策および法制度の推移、外国人の権利をめぐる憲法院・国務院の諸判決およびフランス憲法学説の展開を、移民の権利擁護団体・GISTIの活動に焦点を当てて考察することを目的とする。1978年に外国人の権利に重要判決(GISTI判決)を国務院から引き出したこのNPOは、フランスにおける外国人の権利発展に大きな影響を与えていることを、インタビュー調査、文献研究、判例研究によって明らかにした。 2. 研究最終年度の研究活動として、パリ及びストラスブール5日間の調査を実施した。国際人権をめぐる法状況および外国人・移民の権利について、国際人権研究所長・元欧州人権裁判所所長のジャン=ポール・コスタ氏、エヴリ=ヴァル・デッソンヌ大学准教授のセルジュ・スラマ氏をはじめ、研究者・識者ら7名と意見交換を行った。また、GISTI発行の最新の文献を大学図書館に網羅的に所蔵し、GISTIが関わった判例を中心に文献研究を行った。 3. 研究期間全体を通しての成果:平成23・24・25年度のフランスでのインタビュー調査、文献調査を通して、①フランスにおける移民政策および外国人をめぐる法状況の展開、②GISTIの創設、歴史、組織、移民支援の活動の具体的内容、③〈Ferrandiz Gil Ortega事件>1974年7月23日国務院判決以降、GISTIおよびGISTI構成員が関わってきた30を超える行政訴訟(外国人・移民の権利をめぐる訴訟)の具体的内容を明らかにした。移民支援のNPOの役割という観点からフランスの法世界を考察することにより、<フランス型人権アソシアシオン>の機能を解明することができた。今後、学会発表、研究雑誌への投稿、ホームページへの掲載等を通じ、研究成果を還元していく。
|