2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本とドイツにおけるポジティブ・アクション政策の比較憲法的考察
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23530044
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
中村 環(彼谷環) 富山国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70288257)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ジェンダー平等 / ポジティブ・アクション / ワーク・ライフ・バランス / クォータ制 / 政党内民主制 / 政治的意思形成過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、政策・方針決定過程における女性の参加を実効的にするため、多様な内容と手段で導入されているポジティブ・アクション(積極的差別是正措置:PA)について、日本国憲法に適合的なPAの内容と具体的種類、合憲性審査等を考察することを目的とする。 最終年度では、第一に、47都道府県と20政令指定都市を対象とした「地方公共団体における女性政策に関する調査」を実施した。平成26年度現在、各自治体が導入し、且つ今後課題とするPAとワーク・ライフ・バランス(WLB)について、最近の取組傾向と先進的事業について整理検討した。その成果は、平成27年3月発行の富山国際大学子ども育成学部紀要第6巻に「地方公共団体の男女平等政策に向けた動きと課題」として掲載した。 第二に、富山県と県内15自治体を対象とした「男女共同参画推進事業予算」についても調査を行った。これは、富山県で15年以上にわたり男女共同参画社会の実現を目指し活動する市民団体とともに実施したものである。PA政策の実施において、どの程度具体的予算措置が講じられ、執行されたかを検証することで、PA政策の計画立案と実効性の連関を考察し、より効果的で効率的なPA政策のあり方について、今後の課題を提示することができた。 第三に、2013年度に行われたドイツ連邦議会選挙における5大政党の女性候補者擁立状況について、ドイツで刊行された文献やHP等の情報を拠り所に検証した。政党が自発的にクォータ制を導入し、「成功したクォータ」と評価されるドイツの最新の状況を把握し、導入当初との比較を行った。ドイツにおける政党内民主制の実現の程度と、政策形成過程における女性の参加の実情については、H27年度末に発行される紀要論文に掲載予定である。 第四に、初年度からの成果をまとめた報告書「日本とドイツにおけるポジティブ・アクション政策の比較憲法的考察」を作成した。
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Research Products
(2 results)