2013 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な環境管理法制における多元的構造の分析-日独比較研究を中心として
Project/Area Number |
23530046
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
勢一 智子 西南学院大学, 法学部, 教授 (00309866)
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Keywords | 環境行政法 / 持続可能な発展 / ドイツ循環経済法 / 資源循環 / 地方自治 |
Research Abstract |
本研究は,環境法領域を素材とする比較法研究を通じて,持続可能な社会発展の一翼を担う環境法政策が,多様な主体により多層的法政策規範の下で形成・実施される「多元的構造」について,そのメカニズムと法的特色を明らかにすることを目的とする。 具体的には,社会経済システムの転換を伴う持続的環境管理を実現する環境法政策において,特徴的に見られる多元的構造に着目し,その法政策を決定する原理と要因,それを反映した法制度の設計,および制度運用における具体化手法とその機能を検討することに より,社会経済発展との両立を指向する現代的環境管理法制の法理と仕組みを抽出することを目指す。 研究最終年度として,前年度までに行った制度理論面からの研究にくわえて,日本法の実態調査研究を実施した。環境施策が多様な主体の参画により実施されている点に着目し,環境関連行政部局以外に,業界団体や市民団体,地域自治会なども調査の対象とした。また,環境法が地方レベルから形成されてきた沿革を重視して,先進的自治体を中心に行政担当者へのヒアリング調査をあわせて実施し,実際の制度運用において持続的環境管理の要請がどのように具体化されているかを検証を進めた。レアメタルのリサイクルを目的とする小型家電の回収システムの構築に向けた取り組みなど,新たな制度設計事例についても取り上げた。 以上の成果を踏まえた上で,日独比較研究を行った。学術文献による比較研究にくわえ,ドイツにおける現地調査,行政担当者や研究者へのインタビューを実施することにより,両国の共通点・相違点を分析し,それを通じて,日本の環境行政法の特色と課題の検討に取り組んだ。
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Research Products
(9 results)