2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島岡 まな 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (20222036)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フランス / 刑事法 / 刑事政策 / 矯正 / 電子監視 |
Research Abstract |
性犯罪者・薬物依存者等、いわゆる矯正困難者に対する効果的な刑事制裁(電子監視、治療処分等)について、これらを既に実施している申請者の専門領域であるフランス刑事法の状況について、文献調査とフィールドワークの両面から総合的に把握し、日本の状況と比較しつつ、日本における同様の法制度や刑事政策導入の可否に関する具体的提言を行う目的のため、まず初年度である平成23年度は、フランスの刑事制裁状況について書かれた日仏関連図書及び資料の収集を行い、分析を行った。その成果の一部として、8月に神戸で開かれた国際犯罪学会の中のワークショップで日仏の児童ポルノを中心とした性犯罪について発表した。また、薬物犯罪者(特に女性)の社会復帰支援施設であるダルク女性ハウス代表と共同研究を行い、12月のジェンダー法学会のメインシンポジウムで報告を行い、非常に好評であった。 その反面、国内での研究・活動に時間を取られたこともあり、平成23年度に予定していたフランスでの現地調査は行えなかったため、平成24年度に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」で述べたように、国内での資料収集及び分析とその成果の一部発表は順調に行っているが、それに関連した国際学会発表や学会報告が重なり、そこに時間と労力がかなり取られたため、フランスでの現地調査とそれに伴うフランスでの資料収集は実施することができず、やむをえず、平成24年度に延期とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、昨年度実施できなかったフランスでの現地調査とそれに伴うフランスでの資料収集を行い、成果のまとめもスムーズに行いたいと考えている。 具体的には、第1回目の海外調査を8月下旬に行う予定である。まず、ポワティエ大学の刑事法研究所所長ダンティ=ジュアン教授や刑事政策の大家マッセ教授にインタビューを申し込み、効果的な刑事制裁に関するフランスでの導入・実施状況及び問題点についてアンケート調査した後、パリの司法省での資料収集(及び可能であればインタビュー)、治療処分専門病院や刑務所見学を行いたいと考えている。その成果を秋から冬にかけてまとめ、それを踏まえたうえで第2回目の海外調査計画を立て、平成25年2月~3月に実施したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1回目の海外調査を平成24年8月下旬にポワティエ及びパリで行う予定である。そのための旅費、インタビュー先への謝金を使用する予定である。また、現地で多くのフランス語資料を収集し、その購入費用も使用する。記録のための最新の機材(ビデオカメラ等)も購入したい。 その成果を踏まえて第2回目以降の海外調査計画を立てるが、平成25年2月~3月に時間が許す限り比較的長期に出張し、パリ、ストラスブール、リヨン、ボルドーなど、文献だけではわからない各地の矯正の現状をフィールド調査したいと考えている。そのための旅費、インタビュー先への謝金を使用する予定である。また、現地で多くのフランス語資料を収集し、その購入費用も使用する予定である。
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Research Products
(4 results)