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2012 Fiscal Year Research-status Report

中国民事訴訟の手続構造と訴訟運営の規律-日本民事訴訟との比較研究

Research Project

Project/Area Number 23530085
Research InstitutionSoka University

Principal Investigator

小嶋 明美  創価大学, 法務研究科, 教授 (20382567)

Keywords中国 / 民事訴訟 / 人民法院 / 裁判官 / 弁護士
Research Abstract

本研究は、(1)中国民事訴訟の手続構造について、予定されている全面改正の動向を踏まえながら、法と運用実態の両面から分析を行い、(2)日中両国の審理方法と訴訟運営のあり方を比較研究することにより、普遍的なものと固有なものを明らかにし、両国それぞれにとってのあるべき審理方法と訴訟運営を検討することを目的とする。とりわけ、社会変動が激しく、様々な格差を内包する現代中国における裁判所の後見的介入、地域と事件類型による適切な訴訟運営の必要性に鑑み、現在の実務と今後の方向性につき、我が国との比較において考察したいと考える。
本年度は、(1)については、2012年の中華人民共和国民事訴訟法の改正を受け、北京に赴き、北京に赴任されている中国民事訴訟法・民事関連法改善プロジェクトの長期派遣専門家および中国人民事訴訟法学者等と討議、情報交換を行い、収集した関連文献・情報等も併せ、改正後の中国民事訴訟の方向性、手続構造の把握に努めた。
(2)については、当事者主義への転換と裁判官の後見的介入のあり方、開廷審理前の準備のあり方、訴訟上の和解の勧め方等、民事訴訟の各場面における運用実態についての調査を目的とし、上海市の基層人民法院を訪問し、2日間にわたり、裁判官7名と討議、情報交換を行った。主たる内容は、1)長寧区法院における手続の実際、2)裁判官の裁量の規律における要件事実の役割、3)釈明権行使の有り方、4)裁判官の養成、5)弁護士の役割、6)裁判所の経費、7)改正後の民事訴訟等についてであった。また、新たに建設中の裁判所の設備を見学し、日本との比較において意見交換も行った。北京では、精華大学での民法サロンに出席し、中国の十余名の裁判官、学者と自己を含む3名の日本人とで民法および民事訴訟実務、理論における日中両国の比較検討を行った。
日本の民事訴訟については、関連文献を読み進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

中華人民共和国民事訴訟法の改正が実現したので、中国民事訴訟法の今後の方向性を見極めたうえで研究を進めることができることとなった。
また、日本人も中国人も最も相応しい対象に聴き取り、意見交換を行うことができた。改正民事訴訟についての研究の面では、北京に赴任されている中国民事訴訟法・民事関連法改善プロジェクトの長期派遣専門家である日本人弁護士であり、日本の民事訴訟もよく知る中国人民事訴訟法学者である。中国民事訴訟の実務・訴訟運営については、中国民事訴訟のこれまでの問題を踏まえ、先進的な試みを実践している上海の裁判所である。
文献資料も順調に入手でき、読み込むことができている。
しかし、行う予定であった北京・上海とは経済発展の状況も生活も異なる内陸部の地域の裁判所の調査は、中国国内事情および日中関係の影響により、延期せざるを得なかった。現段階では、文献のみに拠っている。

Strategy for Future Research Activity

改正された中華人民共和国民事訴訟法については、手続構造の改革と過渡的な対処・措置とを見極め、今後の方向性をさらに明らかにする。
職権主義から当事者への移行状況、事件受理、審理前の準備、法廷審理、訴訟上の和解における訴訟運営の実態について、調査の実現していない大都市以外の裁判所で聴き取りり調査等を行うことを考えている。また、当事者、弁護士からの聴き取りも充実させたい。
同時に、日本の学者との意見交換も進め、調査結果の整理と検討を行い、適宜、論文等に発表して行く。
最終的には、調査結果と文献資料に基づき、日中両国の審理方法と訴訟運営のあり方を比較研究することにより、普遍的なものと固有なものを明らかにし、両国それぞれにとって、あるべき審理方法と訴訟運営を検討したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は、中国の国内事情等により、内陸部の調査を延期せざるを得なかったことから、研究費の使用も予定を下回った。次年度は、研究の進捗状況より、下記の費用が必要となる。
1、調査の阻害要因が取り除かれると予期される夏季に、中国での補充調査を行う費用(中国への渡航費、中国国内移動のための費用および宿泊費、聴き取り調査協力・手配への謝金を含む)。
2、中華人民共和国民事訴訟法改正後に出版された民事訴訟関連書籍・文献の購入費用。
3、国内研究会への参加のための交通費等。
4、日本民事訴訟法関連書籍・文献等の購入費用。
5、データ管理等のためのソフト、物品等の購入費用。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 中国民事訴訟の手続構造と訴訟運営の規律(1)2012

    • Author(s)
      小嶋明美
    • Journal Title

      創価法学

      Volume: 42巻 Pages: 95~113

URL: 

Published: 2014-07-24  

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