2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 真生子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (40580494)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 証券法 / 会社法 / カナダ |
Research Abstract |
文献収集:日本については、インサイダー取引規制の導入時の議論に関する文献を、主に収集するとともに、最新の議論についても、主要な学者の論文を収集した。アメリカについては、インサイダー取引規制に関する主要な書籍を入手し、また、カナダについては、証券法・会社法に関して一部の書籍を入手した。海外調査:カナダ法の調査をスムーズに行うため、名古屋大学の中東正文教授にご紹介いただいた証券法の権威、ビクトリア大学のMark Gillen教授にアドバイスを求めた。同教授のアドバイスにより、初年度は当初計画していたトロントには向かわず、ビクトリア大学で調査を行うこととした。2012年3月中旬ビクトリア大学に赴き、1週間ほど滞在し、総合図書館及び法学部図書館のサービスを利用しながら、インサイダー取引規制に関する書籍をコピーした。また、カナダ私法及び訴訟法に関する代表的な書籍を購入するために、同大学の法学部で使用されている書籍を調査し、これらについて文献リストを作成した。さらに、電子サービスを利用して、課題に関する多くの情報を入手した。なお、バンクーバー公共図書館にも赴き、カナダ法のリーガルリサーチに関する文献を読みこんだ。初の研究出張ではあったが、日本では知り得なかった多くの文献を発見でき、今後の文献収集の方法やリーガルリサーチの方法について基礎固めをできたことなど、意義深い調査となった。文献の読み込み:各法域について入手した文献の半量程度は読み込みを終えた。読み込みの時間がやや不足しているように思われるが、初年度の計画は文献収集やカナダ法の概要を知ることに主眼を置いていたのであるから、目的は概ね達成できたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本法については、これまで検討してこなかったインサイダー取引規制導入時の議論について、考えるための資料を一定程度収集できたこと。また、カナダ法については、現地調査を行い、研究のための基礎的な文献について一定の情報を得たこと、さらに、ビクトリア大学のGillen教授から有益なアドバイスを得られたこと等を通じて、次年度以降の調査の基礎固めができたこと。以上によれば、研究はおおむね順調に推移していると言えるから。
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Strategy for Future Research Activity |
カナダの証券法および会社法に関する基礎的な知識を習得する。そのうえで、インサイダー取引規制の概要についてまとめる。カナダの規制の特徴を明らかにするため、日本やアメリカの規制との異同についても検討を深める。 なお、上記の研究の成果として、平成24年度に公表を予定している論文には以下のものがある。(1)カナダのインサイダー取引規制の概要、(2)カナダのインサイダー取引規制にかかる会社法上の規制、である。なお、最終年度は民事責任規定と現行法の課題(カナダ)について研究を行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度はトロントでの海外調査を予定していたが、Gillen教授の薦めもあり、ビクトリアでの調査となった。トロントはビクトリアよりも渡航費や宿泊費がかかると予想され、調査の進展度合によっては最低でも2回は海外調査を行う必要があると考え、24年度に繰り越した。 24年度は繰越額を合わせて、主として文献収集と海外調査に使用する予定である。文献収集については、23年度に作成したカナダ法に関する文献リストを基に、カナダ私法に関する基礎的な文献を購入する。専門的な文献についても、併せて購入を進める。なお、電子書籍の購入やデータベース使用契約の必要性があれば、検討を行う。 海外調査については、トロントを中心に行いたい。訪問先はトロント大学やトロント公共図書館を予定している。ビクトリア大学のGillen教授へのインタビューが可能であれば、ビクトリア大学を再訪し、併せて文献収取も行う。 なお、日本のインサイダー取引規制の主要な研究者(関西地区の大学に所属)との意見交換のため、国内出張の必要があれば行う。
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