2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530091
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松下 淳一 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70190452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 裕成 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90126102)
畑 瑞穂 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00218471)
垣内 秀介 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10282534)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 倒産法 / 企業倒産 / 再建型 / 私的整理 / 民事再生 / 会社更生 |
Research Abstract |
本研究は、私的整理も含めた再建型企業倒産処理について総合的な研究を行い、解釈論の深化、実務運用への提言、及び立法論の展開をすることを目的としている。上記の目的を達成するために、平成23年度は以下のような研究を行った。 第1に、再建型企業倒産処理に関する重要論点のうちいくつかについて、検討を加えて解釈論の限界を模索した。この作業は基礎作業であり、時間がかかることから、この点の成果の公表は次年度以降となる予定である。また、近時の裁判所の実務運用の変化についても検討を加え、弁護士への聞き取り調査をもふまえて、現時点での暫定的な考察ではあるが、検討の結果を年度内に公表することができた。 第2に、私的整理をめぐる諸問題のうち、社債(特に公募債)を発行している会社についての私的整理と社債の処理の問題について検討を加えた。この問題については、金融実務家や弁護士への聞き取り調査も行い、さらにこれらの者をメンバーとする研究会にもオブザーバー参加して、成果物を年度内に刊行することができた。 第3に、近時の大型更生事件(JAL、エルピーダメモリ)の関係者に聞き取り調査を行い、より突っ込んだ解釈論が必要とされている点、実務の中で問題視されている運用及び現行法では不便を感じている点等について洗い出しを行った。 第4に、法的再建型企業倒産処理の基本を定める民事再生法について、立法論という観点からの検討を加えて、若干の問題点の洗い出しを行った。この作業は補助事業期間の終了までふだんに続けるべきものであるところ、現時点での検討の結果を年度内に公表することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するための作業のうち、研究実施計画のうち平成23年度分とした分は概ね行うことができた。また、作業の成果物をいくつか刊行することもできた。ただし、債権法改正については予想していたよりも改正の方向性が見えてこず、再建型企業倒産処理にどのような影響を与えるのかについては十分な検討ができなかった。もっとも、平成24年度以降、債権法改正の方向性は徐々に明らかになるものと思われ、それに応じて倒産法への影響を立ち入って検討することができるものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた成果を基礎として、私的整理も含めた再建型企業倒産処理について、解釈論の深化、実務運用への提言、及び立法論の展開を目指した作業を継続する。私的整理とソフト・ロートの関係についても研究を続ける。上記の通り、債権法改正についても、倒産法に影響を与えそうな内容が明らかになり次第、検討を加える予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度途中の為替相場の急変により、外国への図書の発注を一時中断して様子を見ざるを得なくなったことから、次年度に使用する予定の研究費が発生した。次年度に使用する予定の研究費は、主として必要な文献の購入に使用し、実務家への聞き取り調査が実現するのであれば必要な旅費にも使用する。
|
Research Products
(4 results)