2012 Fiscal Year Research-status Report
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23530100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松川 正毅 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (80190429)
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Keywords | フランス法 / 公証人の実務 / 遺産管理 / 遺産分割 / 後見 |
Research Abstract |
第一に、フランス法における、生前の財産管理と遺言処分について、フランスにて文献情報収集を行った。その中でも、成年後見制度と関連して、遺言処分に関して、関心が持たれており、遺言処分を行った本人の意思を、管理人がどのように考えるのかについて、興味深い議論が存在していることが分かり、分析作業に入っている。 第二に、昨年度に引き続き、公証実務による、遺産の清算についての実務に関する情報の収集を行った。 第三に、後見の担い手として、複数の後見人の存在、つまり法律家と家族構成員の一人との共同作業による後見の存在ついて、24年度に新たな視点を得た。この点、わが国の実情とも異なり、興味深い運用方法であると思われ、分析を始めた。 第四に、パリとトゥールーズ大学で、「本人の意思と財産管理」と題して、講演を行い、仮説の検討を行った。その際に、パリ大学のグリマルディー教授、マゾー教授、トゥールーズ大学のラリュー教授から情報の提供を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)研究テーマに関する情報収集が順調に進んでいる。当初、予期しなかった論点が今期は発見できて有益であった(財産管理と遺言者の意思との関連の問題、後見の担い手の二重構造の現実など)。 2)遺産の清算に関して、公証実務は重要であるが、後見と一連の法的な問題の処理について、仏語で論文を作成し、フランスでの研究会で意見を求めた。 3)公証人の実務での後見の問題に関しては、まだ不明瞭な点が残っており、研究が充分に進んでいないと考えている。 4)パリ第二大学、トゥールーズ第一大学、リヨン第三大学で、仏文で作成した仮説の発表を行い、専門家の意見を得て、論文にまとめている。近く、公表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)遺産の清算の方法について、実定法的な裏付けを確かなものとしたい。解釈論を深め論文にすることが24年度の課題である。 2)引き続き、フランスでの公証実務の研究を行い、遺産管理と、生前の財産管理の流れについて情報、文献収集を試み、その問題点とともに、総論としてまとめて行きたい。 3)2)の問題の各論の一つとして、遺言者の意思と後見人の財産管理について実定法的根拠を探り、法理論化を試みる作業を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)海外調査を進めることに留意する。特に、遺産の清算についての解釈論をまとめる必要性があると考えている。そたのめに、フランスの学者の指導を受けることを考えている。 2)フランスの公証実務の研究を、遺産の清算から、管理へと広げる予定である。そのために、調査研究を行う。 3)遺産の清算、分割に関して、公証実務と法とを結びつける作業を行い,論文としてまとめる。
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Research Products
(4 results)