2013 Fiscal Year Annual Research Report
小規模事業の促進に向けたビジネスストラクチャーの法制に関する研究
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23530102
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松原 正至 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (10252892)
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Keywords | LLC / LLP / 会社法 / 有限責任事業組合 |
Research Abstract |
本年度は平成23年度と24年度までに調査・研究したわが国および英国・米国の状況を最終的にフォロー・アップすることをまず行った。パートナーシップ制度が定着している英国に対し、米国では特にLLCやLLPの発展が著しく、新たな状況が生まれていることが確認できた。まず、公開LLCやLLPが特に資源産業分野で利用されており、持分権者の保護という意味で公開株式会社と同様の情報開示が必要であること、また、両制度とも契約法に基づいた制度であるため、メンバーの責任が免責されている場合にそのまま責任免除となるのか、それとも株式会社と同じような信認義務があるのかということについて、判例・学説で対立が見られることが確認できた。特にデラウェア州では衡平法裁判所が任意規定としての信認義務を認める傾向があるのに対し、同州最高裁判所はそのような義務を認めない判決を下しており、その評価をめぐって争いがあった。この点について、デラウェア州はLLC法を2013年8月に一部改正し、任意規定としての信認義務の存在を認めるに至った。とはいえ、実務において、契約においてどのように規定すればメンバーの免責が認められるかという点については未だ明確でなく、判例等の蓄積が待たれるところである。 比較法に加えて、本年度もわが国の実態と法制度の問題点を調査・研究した。わが国においては合同会社制度が導入されてから設立や組織変更によりその利用は増えているが、米国におけるLLCの発展がわが国で生じているわけではない。他方、英国のLLPに類似する組合についてはクラウドファンディングで用いられることが増加し、事業会社以外のビジネスで用いられることが増加していることを確認した。この場合、やはりメンバー間の権利・義務関係について英国での法理が示唆となり得ることが理解できた。
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