2012 Fiscal Year Research-status Report
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23530103
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 正俊 広島大学, 法務研究科, 教授 (30379903)
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Keywords | 金融機能の安定化 / 金融機能の高度化 / シンジケートローン |
Research Abstract |
当初策定した全体計画に沿って24年度は、①文献・資料・情報の収集と分析を行うとともに、②全体構成の2.(2)「金融機能の安定化を目指す金融システム改革」および(3)「米国サブプライム問題に端を発する世界的金融危機に関する分析と評価」に取り組んだ。このうち、(2)については、最近の新たな立法の動きが活発になっていることもあり、情報収集と分析作業が中心となっており、全体の取りまとめには至っていない。また、(3)については、23年度に取りまとめた論文「証券化市場の再生に向けた環境整備」をベースにして関連情報の補強を進めている。 この間、最新の情報等については、書籍のほか各機関のホームページ等各種媒体を通じて収集に努めるほか、引き続き金融法学会や金融実務者との意見交換会等を活用して収集と分析に取り組んだ。 また、23年度に取り組んだ全体構成の2.(1)「金融機能の高度化を目指す金融システム改革」に関連して、「市場型間接金融」の重要な一部として近年急速に発展しているシンジケートローン取引を巡る紛争について初の最高裁判決が24年11月に下されたことを捉え、関係する資料・情報の収集と分析を行い、その結果を「シンジケートローン市場の拡大と課題」と題する論文に取りまとめた(広島法科大学院論集第9号、平成25年3月)。このように、全体計画において策定した各年度に取り組むべきテーマをベースとしつつも、変化の激しい金融市場や規制等の動きを捉えて、柔軟に取り組み成果の積み上げを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
法科大学院長としての職務が繁忙度を増していることから、計画策定時に想定した研究時間の確保が困難となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
全体計画において24年度に予定していた作業の未達部分のキャッチアップを進めるとともに、25年度に予定している「総論」および「今後の課題と政策提言」の取りまとめを目指して、必要な文献・情報を収集・分析し評価を行う。ただし、現在の研究環境からすると、研究期間を1年延長せざるを得ないこととなる可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な文献等の購入費、金融法学会、金融実務者等との意見交換会等への参加に伴う旅費等の支出を計画している。また、研究が当初計画通りに進み25年度に完結できた場合には、研究成果物の出版にかかる経費の支出も考えているが、前記の進捗状況からすると、26年度となる可能性がある。
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