2012 Fiscal Year Research-status Report
子どもの安全確保に関する21世紀型消費者法システムの比較法政策的研究
Project/Area Number |
23530119
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
タン ミッシェル 帝塚山大学, 法学部, 教授 (60299146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恒雄 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20127715)
末吉 洋文 帝塚山大学, 法学部, 准教授 (30368584)
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Keywords | 消費者法 / 消費者政策 / 子どもの安全 / 製品安全 / 子どもの人権 |
Research Abstract |
本研究では、子どもの安全政策が進んでいる欧米諸国の消費者法システムを調査し、日本においても、先進的な制度が構築できるように提言するものである。 タンは、オーストラリアの代表的な子ども病院および関連の研究所を訪問し、資料を収集した。 また、国際規格を策定しているISOの消費者政策委員会(COPOLCO)主催の総会、およびさらに、国際NGOであるInternational Consumer Product Health and Safety Organization(ICPHSO)主催の国際会議(ブラッセル市、2012年10月)に出席し、海外の規格の動向について最新情報を収集し、日本規格協会主催のセミナーにおいて報告した。さらに、NPO法人NCOSと連携し、日本における洗濯機の事故現状を調査し、国内の規格策定団体に情報を提供した。この情報は、国際規格改定の必要性を検討しているCOPOLCOの参考資料になった。また、Cキッズネットワークと連携し、保護者向けの子どもの安全に関する教材、子ども向けの安全教育の教材(消費者庁依頼)の作成に協力した。業績発表関連として、APECセミナー(マレーシアの消費者団体がAPECの助成金を得て、開催した国際会議)、日本における製品事故の報告制度についての発表、日本消費者教育学会の支部会および全国大会において、オーストラリアを中心とする子どもの安全の教育についての発表を行った。 末吉は、国内において、はじめて子どもの人権と消費者安全の理論的フレームワークを明らかにした。この業績は、NPO法人NCOSのセミナー(東京、3月開催)で報告した。 松本は、関連の消費者行政の委員会に出席し、子どもの安全に関する国内の動向について最新情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの製品事故予防と子どもの人権についての理論的フレームワークを明らかにしていること、海外の先進的事例の収集・分析状況、次の研究課題の特定が明白であること、を合わせて判断すると、本研究は順調に進んでいる、と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の業績を整理した上で、研究テーマの課題を深堀するために、次のことを予定している。 タンは、国際規格を策定しているISOの消費者政策委員会(COPOLCO)主催の総会(2013年5月、マルタ)、およびグローバル視点をもって製品安全に取り組んでいる団体(ICPHSO)の国際会議・シンポジウムに参加をし、子どもの安全と国際規格の策定・改定についての最新情報を収集し、国内においてその情報を報告する予定。 また、国内のNPOと連携し、子どもの安全に携わっている団体へのヒヤリングを行い、活動の強化方法について、研究する。さらに、Cキッズと連携し、子どもの安全の教材の作成に協力する。 末吉は、子どもの人権の観点から、国連、国連関係機関(WHO)などの国際機関が発行する子どもの安全に関する情報の分析をさらに行い子どもの安全の理論的フレームワークの構築についての研究をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タンは、海外出張費(マルタ共和国、オーストラリア)、国内出張費(主に東京)、報酬(データ入力、原稿校閲の謝礼)を使う予定 末吉は、文献の収集に必要な費用(書籍代、郵送料等)を使う予定。
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Research Products
(7 results)