2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530120
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
井上 能孝 信州大学, 法曹法務研究科, 准教授 (60441721)
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Keywords | イギリス / パートナーシップ法 / LP法 / LLP法 |
Research Abstract |
本研究は、イギリスにおける3種類のパートナーシップ型事業体に関する法を研究対象としたものである。すなわち、1890年パートナーシップ法(GP法)、1907年リミテッド・パートナーシップ法(LP法)、2000年リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ法(LLP法)である。 近年、アメリカのLLC・LLP・LLLPやわが国の合同会社や有限責任事業組合など、各国で有限責任のパートナーシップ型事業体に関する法整備が行われているが、そこでは、①本来は単なる契約に過ぎないはずのパートナーシップ(や組合)に、いかに法主体性を認め、契約の当事者になることや登記の名義人になることを可能にするか、②同時に、法人課税の対象ではなく構成員課税(いわゆるパス・スルー課税)の対象とするかに関して、立法上の腐心が見られた。 イギリスにおいても、①に関しては、LLC法上にパートナーシップでありながらも、他とは異なり構成員とは別個の法人格(legal personality)を有する法人(body corporate)であるとされ、②一方で、組織法であるLLC法上に構成員課税の対象となる旨が規定されるなど、イギリス法独自の立法上の工夫がなされている。 イギリスにおいては、当初より会社法(companies law)の中に、非公開有限責任会社に関する規定が置かれていたため、アメリカのLLCに相当するような構成員課税の対象になるべき「会社」は新設されていない。しかし、2000年のLLP法では、法人・有限責任・構成員課税の要素を満たした「パートナーシップ」として、専門職事務所の法人化だけでなく、様々な事業目的に利用可能なものとして規定され、以降、拡大をとげつつある。 現在も研究は継続中で、平成25年度中には業績を公表することはできなかったが、平成26年秋を目途に公表予定である。
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