2013 Fiscal Year Annual Research Report
共和制イングランドの政治理念に関する研究:良心論および契約論の視点から
Project/Area Number |
23530151
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大澤 麦 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (30306378)
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Keywords | 共和主義 / 良心 / 契約 / ピューリタニズム / イギリス革命 / 寛容 / レヴェラーズ / 自由主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1649年に成立した共和制イングランドの政治思想史上の意義を、ヨーロッパ宗教改革に起源をもつ良心論とその系譜から現れるピューリタニズムの契約理論の観点から、明らかにすることである。 本研究の最終年度である今年度は、前年度までの研究のさらなる発展を志すとともに、研究全体の総括となる論文と共著書の公表に取り組んだ。それが『法学会雑誌』54-1に掲載された拙稿「共和制イングランドの政治原理:「国王殺し」と契約論」と川出良枝編『岩波講座政治哲学1 主権と自由』(岩波書店)の第7章となった拙稿「イングランド革命期の政治思想:ピューリタニズムとリパブリカニズム」である。とくに後者は、本研究の中核をなすピューリタニズムと共和主義(リパブリカニズム)との関係を模索した、その意味で私の研究の次年度以後のステップとなる構想を打ち出したという点で、重要な研究成果であると認識している。 なお、上述の研究を遂行するにあたり、国内では参照できない資料を調査するために、本年度10~11月にイギリスに出張し、大英図書館で研究を行った。また、今年度は本研究に深くかかわる政治思想学会、日本ピューリタニズム学会、日本政治学会の各研究大会・研究会に参加して、関連諸分野の研究者との意見交換を行った。その中で得られた知見も、上記の研究成果に的確に生かされていることを付言しておきたい。
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