2013 Fiscal Year Research-status Report
韓国政治と市民社会の相互作用に関する研究-李明博政権を中心に-
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23530155
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 敏行 札幌学院大学, 法学部, 教授 (80196526)
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Keywords | 韓国 / 政治 / 政党 / 市民社会 |
Research Abstract |
本年度中には、李明博政権、朴槿恵政権と「保守」政権が持続する中で、市民運動などの市民社会勢力が政治的影響力を維持しようとしているのか、その点について調査研究をおこなった。 第一に、市民団体の参与連帯が近年、政府との関係で、どのように政治的影響力を維持しようとしているのかについて調査した。参与連帯のスタッフを経て国会議員秘書をしている活動家にインタビューをした。政治的影響力の経路としては従来の中央政府である部処の委員会等の参加機会は著しく減り、それに代わり国会議員を経路とする機会が増えてきている。2012年の国会議員選挙で市民団体の役職出身者が当選したことが、それを可能にしている。このような国会議員など政党政治の中に市民社会が積極的に参入するようになったことが、保守政権時代の市民社会の特徴である。行政への経路が狭まっただけ政党政治の経路の重要性が増したと言える。 第二に、市民社会の政治的影響力を可能にする政治的対立構図について、前年度に引き続き2012年の大統領選挙を中心に考察した。世代対立、SNSの可能性と限界について論じた、金萬欽の『政党政治、安哲秀現象と政党再編』の翻訳作業もその一環である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
李明博政権のもとでの政府と市民団体の相互関係の変化について現地調査をして論文にまとめることができたのは成果と言える。しかしながら李明博政権の発足後の蝋燭デモの拡大要因についての論文をまとめるには至らず、また李明博政権による市民団体の役職経験者の包摂についての調査をできなかったことは未達成部分であり、本年度の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が最後の年度となる。残された課題は、李明博政権と市民団体の相互関係の変化について、蝋燭デモと包摂について明らかにすることである。もう一つ加えるならば、2014年6月には韓国で全国同時地方選挙があるので、2011年の前回と比べて市民社会と野党の選挙連合もしくは再編がどのように進んだのかについても明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)