2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530157
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
近藤 久洋 東京国際大学, 国際関係学部, 准教授 (20385959)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 紛争ガバナンス / 破綻国家 / 平和構築 |
Research Abstract |
「紛争ガバナンスの構造と新たな平和構築のあり方」と題する本研究の初年度は、当初、第一に、4ヶ月間を文献レビューに充て、第二に、ルワンダの首都・地方のガバナンス構造のうち紛争時のガバナンス構造を現地調査し、第三に、調査後の8ヶ月で現地調査結果の分析を完了することとしていた。 本研究に先立つ2010年に「破綻国家におけるガバナンス:紛争ガバナンス・グローバリゼーション・対応」(『東京国際大学論叢』、第16号)を公刊しており、破綻国家・平和構築論の争点については一定程度把握済みであった。平成23年度の研究においては、周辺国・欧米諸国と破綻国家の破綻プロセスとの関連に関する文献を読み進めることができ、文献調査は順調に進んでいる。特に文献調査を通じて、ルワンダの紛争ガバナンス構造には、周辺国や欧米諸国の影響が予想以上に強く影響していることも確認され、今後の調査に重要な示唆を与えるものとなった。 他方、現地調査については、本科研費による調査日程を確保することが困難となったため、平成23年度の現地調査実施を見送らざるを得なくなり、研究費の執行計画に大きな修正を余儀なくされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究の進捗状況に関しては、研究自体は順調に推移してきていると考えられる。もちろん、紛争ガバナンスの構造については、ジェノサイドのメカニズムという機微に触れる内容であるため、必ずしも体系的に情報収集ができておらず、進捗に遅れが見られるが、他方では、本来平成24年度に調査すべき内容も平成23年度の調査である程度把握できている。そのため、本研究プロジェクトの進捗は分野によってムラがあると考えられる。 但し、研究費の執行に関しては、現地調査の実施を見送ったため、本科研費の経費執行は遅れを見ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、(1) 「ルワンダにおける紛争ガバナンスの構造」に関する情報を文献調査により把握し、(2) 現地調査により近年のルワンダの政治制度・ガバナンス改革並びに国際社会からの支援内容について把握する。こうした情報収集を踏まえて、ルワンダのような紛争後国家においてはどのような政治制度を設計すべきなのかを検討し、平和構築論への政策論的インプリケーションとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度においては、(1) 1994年ジェノサイド発生時のルワンダのガバナンス構造に関する文献収集を行い、(2) ルワンダの近年の政治制度・ガバナンス構造・国際支援を把握するために、現地調査を3度実施したいと考えている。また、(3) 英文で紛争ガバナンスの概念を問う論考を作成するため、英文校閲の費用にも充てることを計画している。
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