2012 Fiscal Year Research-status Report
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23530157
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
近藤 久洋 東京国際大学, 国際関係学部, 准教授 (20385959)
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Keywords | 紛争ガバナンス / 破綻国家 / 平和構築 |
Research Abstract |
「紛争ガバナンスの構造と新たな平和構築のあり方」と題する本研究の二年次は、次のように進めた。 第一に、本研究の調査項目の柱である「紛争ガバナンス」の構造を描くため、ルワンダの首都・地方のガバナンス構造のうち紛争時のガバナンス構造を現地調査した。ルワンダ政府関係者や各国ドナーとの面談を多数設定し、紛争ガバナンスの構造を把握することができたと同時に、紛争を再発させないためのガバナンス改革の概要についても有用な情報を得ている。この調査結果については、現在論文原稿にとりまとめており、2013年9月に公刊される予定である。 第二に、4ヶ月間を文献レビューに充て、広くポストコンフリト国に対して、どのような援助がなされているのかについて集中的に分析を行った。その結果、特に新興ドナーと呼ばれる援助国(中国、韓国、台湾等)の動向をクローズアップした研究業績を論文・口頭報告の形で発表することができた。 研究全般を通じて「発見」したこともあり、その結果本研究に先立つ2010年に「破綻国家におけるガバナンス:紛争ガバナンス・グローバリゼーション・対応」(『東京国際大学論叢』、第16号)で論じたことを一部修正する必要性も認識するようになっている。具体的には、紛争ガバナンスの構造は、紛争によって紛争参加者・動員メカニズム等で多様でありえ、事例を通じた普遍性と事例に応じた個別性の双方を意識しなければならないということである。従って、ルワンダ一国の紛争ガバナンスではなく、他の紛争国との比較によって紛争ガバナンスの多様性を論じる研究の必要性が理解できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目の平成24年度は当初予定通り「ルワンダにおける紛争ガバナンスの構造」と「新たな平和構築のための諸政策・援助」の双方について調査・研究を進めることができ、特に後者については、研究成果を複数発表できるようになっている。また、平成25年度で取り組むべき課題として、他の紛争国の紛争ガバナンスとの比較をすることが明らかになっており、研究方針を軌道修正しつつも、研究のペースは順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって資料の検討を進めるにつれて、紛争ガバナンスの構造には、ある程度の共通性ないしは普遍性が諸事例間で見られる一方で、各事例の個別性も見られることが明らかになってきた。 従って、平成25年度では、2つの課題を研究してゆく。 第一に、本研究で扱う紛争国の事例(ルワンダ)に他の紛争国(スリランカ・ボスニアを検討している)を新たに加え、各事例の紛争ガバナンスがどのような普遍性と個別性を持つかを明らかにする。 第二に、平和構築に関する援助動向について継続的に調査を進める。これまで、新興ドナー諸国の援助に焦点を当ててきたため、平成25年度は伝統ドナーの援助動向をクリティカルにレビューし、現実主義的な見地から平和構築の政策メニューを提示する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度においては、(1) ルワンダ・スリランカ・ボスニアのガバナンス構造に関する文献収集を行い、(2) スリランカとボスニアにそれぞれ現地調査を実施したいと考えている。また、(3) 英文で紛争ガバナンスの概念を問う論考を作成するため、英文校閲の費用にも充てることを計画している。
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Research Products
(9 results)