2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530166
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
申 龍徹 法政大学, 政策創造研究科, 准教授 (60465359)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流(中国・韓国) |
Research Abstract |
東アジアの行政文化の形成と変容を研究内容とするこの研究では、研究初年に当たるH23年度は、東アジアの主要国である日本・中国・韓国の行政文化について、まず、各国の文献による先行研究の分析を行ったあと、各国の公務員を対象とし、人事行政の情報化が行政の組織文化に与える影響に関する公務員の意識調査を実施した。 まず、文献調査から得られた結果としては、(1)行政文化に関する研究蓄積は、韓国・中国・日本の順であり、特に韓国と中国における行政文化研究は、比較行政研究や発展行政研究の影響を受けており、体系化されていること、(2)日本・中国・韓国とも、儒教的な伝統に基づく社会的価値観を共有しているものの、その強度は、韓国において強く、日本においては希薄していること、(3)研究の大半を規範研究が占めており、実証的な研究はほとんど行われていないこと、(4)行政文化に関する改革の必要性は、中国・韓国・日本の順であることなどがあげられる。 行政文化の改革可能性を左右する要素としてもっとも重要視されている人事行政の情報化を素材に行った公務員の意識調査(総計1000人)では、(1)情報化の推進が行政文化の改善につながることへの期待は日本・中国・韓国とも低く、過半数以上がその相関性を否定している、(2)情報化と組織の民主化・能率化について、韓国と中国は肯定的で、日本は否定的である、(3)情報化の阻害要因としては、伝統的な慣習や組織風土など、行政文化がもっとも高いことが分析された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外研究者の積極的な協力により、文献調査や意識調査が計画通り順調に進んだことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は、H23年度の文献研究の成果を活かし、行政文化の類型化を試みるとともに、行政文化の認知度や基本的性格などに対する意識調査を日本・中国・韓国の公務員を対象に行い、共通性と相違、その要因などを分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)文献調査H23年度に引き続き、関連文献の収集と分析を行うとともに、行政文化の類型化を試みる。旅費およびヒアリング/インタービューなど(謝礼)(2)意識調査日本・中国・韓国の公務員を対y層に、行政文化に対する認知度や基本的性格などを中心とする意識調査を行う。旅費および意識調査の実施・分析(謝礼)
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