2012 Fiscal Year Research-status Report
アメリカン・デモクラシーにおける「草の根」保守主義の政治理論的検討
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23530173
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
越智 敏夫 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (20247183)
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
初年度である平成23年度において、特に集中しておこなわれた研究はアメリカ政治、特に保守主義と市民活動に関する理論的蓄積を整理することだった。2年目にあたる平成24年度においては、前年度からの理論研究も継続しつつ、より実証的な論文へのアプローチを開始した。それらの成果の一部分は研究の中間段階ではあるものの、「ナショナリズムと自己批判性」(『立教法学』86号、45~63ページ、2012年)として発表した。 さらに今年度においては現代アメリカ政治における草の根保守運動を例として市民活動についての実証研究、また当該テーマを専門とするアメリカ合衆国の研究者との意見交換を進めることによって、本研究の中心部分である政治理論研究をより複合的なものにすることができた。 平成24年8月にルイジアナ州ニューオリンズ市で開催予定だったアメリカ政治学会(American Political Science Association:APSA)研究大会はハリケーン・アイザックによって直前にキャンセルとなった。当初は研究者との意見交換を主目的としていたが、予定を変更し、ニューオリンズ地域におけるティー・パーティ運動の実際の責任者と担当者に長時間にわたってインタビューをおこなうことができた。また彼らの助言と協力も得て、ハリケーン・カトリーナ(2005年8月)の被害からの復興と市民生活、市民運動との関係についても現地調査をおこなうことができた。 また平成25年3月にはカリフォルニア州サンディエゴ市において「グローバリゼーションと文化」に関する共同研究のための討議が開催され、その機会を利用して多くの研究者と意見交換ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】欄に記入したように、アメリカ合衆国における政治参加や市民運動についての理論研究は今年度も進展させることができた。特にその歴史的側面については昨年度以上に理解を深めることができ、その一部は既述のとおり研究論文としても公刊できた。 また2回にわたるアメリカでの研究調査によって、Tea Party(茶会運動)を中心とした「草の根」的保守主義の実態についても、その政治的意義とともに検討することができた。また研究者との意見交換も相当数のインタビューによって充実したものとなった。 以上のような研究の進展によって、初年度においてやや遅れた感のあった当研究も当初の計画において措定されていた程度までは回復したと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度から今年度にかけておこなわれた理論研究を前提として、その理論研究も継続させながら、実証研究もおこなう予定である。また研究計画の最終年度でもあるので、全体の総括もおこなう。 具体的には、平成25年8月上旬にポーランド、シチェチン市で開催される国際アメリカ学会 (International American Studies Association:IASA) の第6回世界大会において研究報告 "Another Coast for the USA:Civic-mindedness in Postwar Japan and American Democracy" をおこなう予定であり、当学会でも多くの研究者との意見交換を予定している。また8月下旬にはアメリカ合衆国、シカゴ市で開催されるアメリカ政治学会 (American Political Science Association:APSA) の年次大会にも参加し、研究成果についての意見交換などをおこなう。また本学会参加にあわせて市民活動家らへのインタビューもおこない実証研究の内容を充実させる。 以上のような研究活動を本年度内に単著としてまとめ、ミネルヴァ書房から刊行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度から継続している理論研究用図書の購入に次年度も一定額を使用する予定である。 また、【今後の研究の推進方策】で既述したように、ポーランドでのIASA第6回世界大会、またアメリカ合衆国で開催されるAPSA年次大会、またその前後の現地調査のための旅費、滞在費として研究費を使用する予定である。さらに平成26年2月の渡航調査にも研究費を使用する予定である。 さらに、今年度も継続して資料等を購入したことにより、全資料数の蓄積も多くなり次年度は資料整理の補助員を雇用する必要があり、そのための人件費も使用する予定である。
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Research Products
(2 results)