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2012 Fiscal Year Research-status Report

グローバル化時代の新しいレイシズム:ファシズムと北部同盟の比較研究

Research Project

Project/Area Number 23530176
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

高橋 進  龍谷大学, 法学部, 教授 (30136577)

Keywordsイタリア / レイシズム / 北部同盟 / グローバル化 / ファシズム / 新右翼
Research Abstract

イタリア・ファシズムの人種主義・反ユダヤ主義政策やアフリカ植民地支配、バルカン半島、地中海諸島の占領地における統治などに関する研究文献を引き続き収集した。北部同盟の政策・組織・思想に関する文献や同党の機関紙の記事の一部も収集した。また、比較研究のために、西欧諸国で台頭している新右翼や外国人排除の政策や動向、ポピュリズムに関する文献も収集した。
2013年3月末~4月初旬に他の共同研究の仕事でイタリアに行った際に、ローマの国立中央公文書館でファシズム体制の人種主義政策に関する一次資料を収集した。
これらの収集した文献等を使用して、他の共同研究会のメンバーとの共著『ポピュリズム時代のデモクラシー』に、「ポピュリズムの多重奏:ポピュリズムの天国 イタリア」の論文を執筆した。そこでは、北部同盟の外国人排除のイデオロギーと政策を分析し、それをグローバル化時代の新しいレイシズム・ポピュリズムとして位置づけ、他の政党のポピュリズムと比較しつつ、現代イタリアの政党政治の問題状況を明らかにした。
これまで収集した文献や資料等を利用して、北部同盟の宣言や政策などにおける言説分析を開始した。北部同盟の活動実態の地域調査、外国人労働者問題、レイシズムの状況調査のための候補地に関して資料を検討した結果、ヴィチェンツァを第一候補に、ブレシアを第二候補に決め、25年度に自治体、北部同盟の地方組織、市民団体などの聞き取りを行うために、関係団体への連絡の段取りを開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

イタリア・ファシズムの人種主義・反ユダヤ主義の思想・政策形成・展開に関する研究文献はほぼ収集し、人種主義政策宣伝誌"La Difesa della Razza"の論文も若干収集した。国立中央公文書館にある閣議録、Segr.Par. del Duce, Cart.Ris.文書などの基本的な一次資料もほぼ収集した。その一部を分析整理した論文「イタリア・ファシズムの人種主義・反ユダヤ主義(1)ーグローバル化時代の新しいレイシズムの分析のためにー」を2012年3月に『龍谷法学』にすでに発表し、現在その続きの執筆を準備している。
北部同盟に関する研究書や論文の収集もほぼ終え、その検討に着手している。また、西欧諸国に台頭している新右翼・ポピュリスト政党に関する比較研究も進めてきた。このような研究の成果を共編著『ポピュリズム時代のデモクラシー』として刊行した。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は最終年度であるので、これまでの研究の不十分点を補充しつつ、研究のとりまとめとその公表を様々な形で行う。
ファシズムと北部同盟のレイシズムの歴史的・理論的・実証的な比較研究の分析枠組を設定し、それぞれの特徴と相互関係を明らかにする理論的な作業に取りかかる。また並行して、北部同盟の地域レベルでの人種主義・外国人排除の政策、自治体や市民団体の行動の調査を行う。その際、近年イタリアで拡大しているEU以外の諸国出身者に対する外国人差別・蔑視、憎悪犯罪に注目する。そして、それを西欧諸国における外国人排除、「福祉ショーヴィニズム」を主張する新右翼の台頭、反EU、反ユーロなどのナショナリズムの急速な拡大の関連の中に位置づけ、「グローバル化時代の新しいレイシズム」のイタリア的な例として北部同盟を提示する。これらの研究成果をイタリア近現代史研究会や日本政治学会、比較政治学会で発表する準備を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度に行うことのできなかった自治体・地域調査、聞き取りを今年度に行う。そのための旅費に、前年度未使用であった旅費と今年度の旅費を合わせて使用する。その調査と資料整理の費用として、人件費や謝金を使用する。
また、追加の資料や文献の収集に物品費を当てる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 原子力発電とイタリア民主主義の関係の考察のための準備ノートー「第二のフクシマ」を作らないために2012

    • Author(s)
      高橋進
    • Journal Title

      社会科学研究年報

      Volume: 42 Pages: 151,159

  • [Journal Article] 脱原発とイタリア・デモクラシーーー日独伊仏の比較のためにーー2012

    • Author(s)
      高橋進
    • Journal Title

      龍谷法学

      Volume: 45-3 Pages: 171,226

  • [Presentation] 原発とイタリア・デモクラシー2012

    • Author(s)
      高橋進
    • Organizer
      比較政治学会
    • Place of Presentation
      日本大学
    • Year and Date
      20120623-20120624
  • [Book] ポピュリズム時代のデモクラシー2013

    • Author(s)
      高橋進
    • Total Pages
      233
    • Publisher
      法律文化社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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