• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

ベルリンの区合併と区民発案・区民投票制度―行政の効率化と住民自治の充実

Research Project

Project/Area Number 23530179
Research InstitutionNagano Prefectural College

Principal Investigator

野口 暢子  長野県短期大学, その他部局等, 助教 (00583296)

Keywords住民投票 / 住民発案 / 大都市制度改革 / 区合併 / 行政改革 / 区制度改革 / 都市州 / ベルリン
Research Abstract

本研究は、ベルリンの区合併(2001年)と区民発案・区民投票制度導入(2006年)の成果や問題点を検証することによって、現在、検討が加えられている東京23特別区や政令指定都市における区制度改革、区レベルでの住民自治のあり方を考察しようとするものである。「都区制度のあり方検討会」等において、東京都は区合併を伴う行政改革を提案しており、また、「大阪都構想」や「三大都市(横浜市・大阪市・名古屋市)を都市州に」という提案もなされている。本研究の目的は、都市州である首都ベルリンにおける区の行政改革、区民発案・区民投票制度導入という住民自治の充実施策を検討することにより日本における大都市制度改革論議に寄与することである。
本年度までに、区合併を含む行政改革、区民発案・区民投票制度導入の過程に関して、ベルリンと日本国内の図書館などに所蔵されている資料をおおむね収集することができた。また、ベルリン市内の区民発案・区民投票の実例に関しては、ベルリンにある「Mehr Demokratie e.V.」の事務所を訪れるなどして調査を行った。ベルリン市内12区の区長と区議会などに対する郵送によるアンケート調査の下調べもおおむね終了することができた。
9月に国政選挙が行われるドイツでは、海賊党と「Mehr Demokratie e.V.」が国民投票制度の導入を争点にする動きがあり、直接民主制に関する関心が高まっている。日本でも原子力発電所の再稼働の是非を問う住民投票の直接請求運動が各地で行われたり、日本の大都市の区とほぼ同規模の都市型の自治体である小平市で、東京都内で初めての直接請求による住民投票がおこなわれたりしたことで、住民投票に注目が集まっている。
このようなドイツと日本、両国における動きの中で、とくに区民投票に関する部分における本研究の意義が計画時より大きなものとなっているのは間違いない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度までに、区合併を含む行政改革、区民発案・区民投票制度導入の過程に関して、ベルリン州立中央図書館ベルリン研究センターと地方自治研究センター、ベルリンフンボルト大学図書館、日本の国会図書館、各大学図書館などの所蔵資料をおおむね収集することができた。
資料では明らかにならない点について、とくにベルリン市内の区民発案・区民投票の実例に関しては、ベルリン市内の区役所やベルリンにある「Mehr Demokratie e.V.」の事務所を訪れるなどして調査を行った。区合併と区民発案・区民投票制度導入の効果についてのベルリン市内12区の区長と区議会に対する郵送によるアンケート調査の送付先を確定するなどの下調べもおおむね終了することができた。
日本における大都市制度改革の動きも追いかけることができている。また、日本の大都市部における区民発案・区民投票導入の可能性を探るために常設型住民投票条例の直接請求が実施された府中市と東京都内で初めての直接請求による住民投票が実施されることになった小平市に関する調査も進めた。当初は計画していなかった調査であるが、実際に日本で行われた住民投票運動の動きを調査することで、新たな分析の視点を得ることができた。
6月に行われた日本公共政策学会の発表と長野県短期大学紀要論文では、本研究の成果の一部を公にすることができた。

Strategy for Future Research Activity

まず、これまでの調査を踏まえ、「ベルリンの区民投票」に関して9月に行われる日本政治学会で発表を行う。また、来年度に予定している本研究全体をまとめた論文の発表に向け、本格的に論文の執筆を始めるとともに、最終的な調査を進めて行く予定である。
夏までは、これまで収集した資料をもとに論文の執筆作業を進める。それを踏まえて、秋にベルリン市内各区の区長、ベルリン州議会、区議会各会派へのアンケート調査を実施する。分析を豊かにするために、3月にふたたびベルリンを訪れ、会派事務所等でのインタビュー調査も行う予定である。
日本国内における大都市制度改革や住民投票に関する動きにも、引き続き注目していきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

おもにベルリン訪問にかかる経費、アンケート調査にかかる通信費等に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 「お任せ型住民投票」の意義と課題―長野県内における住民投票を中心として-2012

    • Author(s)
      野口暢子
    • Journal Title

      長野県短期大学紀要

      Volume: 第67号 Pages: 59~68

    • DOI

      1118/00000168

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ベルリンの区民投票2013

    • Author(s)
      野口暢子
    • Organizer
      日本政治学会研究大会
    • Place of Presentation
      北海学園大学
    • Year and Date
      20130915-20130916
  • [Presentation] 長野県内の住民投票2012

    • Author(s)
      野口暢子
    • Organizer
      日本公共政策学会研究大会
    • Place of Presentation
      立命館大学朱雀キャンパス
    • Year and Date
      20120616-20120617

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi