2012 Fiscal Year Research-status Report
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23530183
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渡辺 紫乃 埼玉大学, 教養学部, 准教授 (10582637)
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Keywords | 国際情報交換 / 中国外交 / 対外政策 / 対外援助 |
Research Abstract |
・埼玉大学では中国経済の統計データと政治経済関連の書籍を重点的に収集するともに、中国学術文献オンラインサービス(CNKI)を活用して、中国のジャーナルの最新の研究動向をフォローした。また、JETROビジネスライブラリーに頻繁に通い、貿易統計のデータベースや中国経済関連の様々な年鑑類を使用し、データ収集を積極的に行った。 ・外務省や日本国際問題研究所、政策シンクタンクPHP総研での研究会などを通じて、国内外の研究者・専門家、援助担当者や外交政策関係者と意見交換を積極的に行った。また、アジア政経学会東日本大会や北米の学会であるInternational Studies Associationの年次大会で研究成果を発表したところ、内外の研究者から質の高いフィードバックを得ることができ、今後研究を発展させていくうえで大変参考になった。 ・2012年7月21日から8月1日まで中国(上海と北京)で現地調査を行った。中国社会科学院、北京大学の国際関係学院や行政管理学院などの研究者と意見交換を行い、最新の研究動向をフォローした。また、中国外交部档案館での一次資料の収集や北京市内の書店での最新の文献収集も行った。 ・2012年8月7日から20日まで米国(ワシントンDCとボストン)で現地調査を行った。Johns Hopkins大学のSchool of Advanced International StudiesやTufts大学のFletcher Schoolなどの研究者や大使館関係者らとの意見交換を行い、中国外交や中国の対外援助に関するアメリカの研究動向などをフォローした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
・24年度には当初想定していた以上に学会報告や論文発表の機会を得たため、当初の計画以上の進展であると考えている。 ・国内では2012年5月にアジア政経学会東日本大会で学会報告を行った。また、国際関係論の分野で最も権威のある北米の国際学会の一つであるInternational Studies Association (ISA)に責任者(Chair)として夏にパネルを申請したところ、秋に採択され、2013年4月3日に研究報告を実施済みである。 ・学術論文としては、研究成果の一部を日本国際政治学会の学会誌『国際政治』(2013年2月号)の独立論文(査読付)と『海外事情』(2012年9月号)に掲載済みである。また、2012年秋に刊行された英文書籍2冊に各1章、2013年1月に刊行された日本語書籍1冊には2章、研究成果の一部を発表した。 ・さらに、研究成果の一部について講演依頼があり、日本の学術界や政策担当者以外の聴衆に発表する機会も複数得た。2013年2月には企業人を中心とする聴衆に研究成果に関連したテーマで東京で講演を行った。また、2013年3月~4月には米国のアメリカン大学でセミナーと講演を行い、研究成果の一部を多様な聴衆に発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・昨年度と同様、日本語・英語・中国語文献の収集、国内外の研究者・専門家、援助関係者との意見交換や政策担当者などへのヒアリングを積極的に行い、これまでの研究成果の一層の積み上げをはかりたい。また、研究会や勉強会などでも最新の研究成果を発表し、研究の質を高めていきたい。 ・当該研究成果について日本語だけではなく英語でも論文として発表するなど、引き続き情報発信を行っていきたい。 ・24年度末の時点で、北米の大学や政府関係機関・研究所から講演依頼を受けているため、25年度にできるだけ積極的に応じて研究成果を広く発信するとともに、研究の質を高める機会としても活用していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度の研究費は引き続き日本語・英語・中国語文献の収集、海外での現地調査、研究成果の発信のために使用する。 ・海外出張を行い、現地での資料収集、研究者や専門家らと意見交換を行うことで最新の動向をフォローしていきたい。なお、昨年度後半以降、日本人研究者は中国外交部档案館での資料閲覧や収集が困難になっていることなど、中国での一次資料収集は問題がある。そのため、北米出張で代替するなど、柔軟な対応をしていく予定である。
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