2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530195
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
有馬 哲夫 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10168023)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究の研究目的の項目の1)、2)、3)としてあげた「USIAは日本でどのようイヴェントや会議を開き、その際日本のメディアにどのように働きかけたのか」、「USISとUSIAは米国についてのどんなニュースを与え、人物や文化を紹介したのか」、「日本でVOA(Voice of America)放送はどのように行われ、どんな番組が放送されていたか」を明らかにするため、米国第二公文書館とケネディ大統領図書館にそれぞれ2011年9月と2012年3月に資料収集のため訪れた。 冷戦期でもっとも注目を集め、重要な効果をあげたアイゼンハワー政権のキャンペーン「アトムズ・フォー・ピース」政策が、日本においてどのように行われたか、そこに国務省とUSIAがどのようにかかわっていたか、そこに日本のメディアがどのように動員されていたか、そのメディアの報道にどんな人物や事柄が紹介されたかを調査した。 現在のところ、米国が日本の大手メディアとともに原子力平和利用博覧会を開催し、それが大手メディアだけでなく、地方のメディアなどにも取り上げられ、大きな関心を巻き起こしていたことがわかった。また、米国や英国の原子力委員会やその関係者がも大手新聞に登場して、原子力平和利用について一般国民を啓発し、同時に好意的になるようなコメントをしてること、それがUSIAや国務省の報道機関への働きかけの結果であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はスケジュールの関係で、米国第二公文書館とケネディ大統領図書館を訪れたが、中西部にあるトルーマン大統領図書館やアイゼンハワー図書館には行くことができなかった。 しかし、冷戦期米国の最大のキャンペーンである「アトムズ・フォー・ピース」に的を絞り、米国国務省とUSIAの被爆地での原子力平和利用博覧会やとくに被爆者へのメディアキャンペーンの詳細を示す資料を得ることができた。したがって、当初設定した目標には到達した。 目標達成以上に、これは本職にとっても思いがけない発見で、これまでは明らかになっていなかった部分が明らかになったので、この点では意義深い成果があげられたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアイゼンハワー政権「アトムズ・フォー・ピース」政策に的を絞って研究し、成果を上げることができた。今後は同じく冷戦期でも、アイゼンハワー政権以後のケネディ政権やジョンソン政権のキャンペーンについて同様の研究ができるかどうか、成果が上げられるかどうか、第一次資料を検索しながら、収集しながら、見極めていきたい。できないと分かった場合は、「アトムズ・フォー・ピース」の分析の精度を高める方向で研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は使用計画書通りの研究費の使用をした。次年度も研究計画書と使用計画書通り使用する予定である。
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Research Products
(1 results)