2011 Fiscal Year Research-status Report
国際社会における規範の伝播 ――ASEANによる西側の規範の「真似採用」
Project/Area Number |
23530196
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝間田 弘 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 特別センター員 (40579108)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際関係論 / 構成主義 / 東南アジア諸国連合(ASEAN) / 規範 |
Research Abstract |
今年度(H23/2011年度)は、研究の基盤を固めることができた。達成した課題は三つに分けられる。第一に、理論の整理をした。当初のアイデアに則り、社会学の制度論や社会心理学の理論を視野に入れながら、規範の伝播を捉える理論を整理していった。とくに、どのような条件の下で、如何なる動機で、途上国がグローバル社会の規範を採用するのかを考察した。 第二に、当初の予定通り「東南アジア諸国連合」(ASEAN)の事例研究を開始した。とくに、国際社会におけるASEANのステータスを捉えるという、事例研究の最重要部分に取りかかった。その際には、大学図書館のデータベースを活用した。メディアの報道を追うことにより、暫定的ではあるが、ポスト冷戦時代におけるASEANのステータスには変化があった、という事実を捉えることができた。 第三に、年度末までの研究成果を、米国の学会で発表する準備を整えた(2012年4月3日、サンディエゴで開かれた米国国際学会(ISA)の年次大会において発表)。 これから重要になる課題は、海外での調査により、ASEANの事例研究を強化していくことである。東南アジア諸国を訪問し、現地の資料を集め、関係者にインタビューをすることにより、事例への理解をさらに深める必要がある。次年度は、インドネシアとシンガポールを訪問する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学務が多忙であったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外での調査により、ASEANの事例研究を強化していく。東南アジア諸国を訪問し、現地の資料を集め、関係者にインタビューをすることにより、事例への理解をさらに深める。 とくに、インドネシアとシンガポールを訪問する。ASEAN事務局、インドネシア戦略国際問題研究センター、シンガポール国立公文書館、シンガポール国立大学などで資料収集をする。また、外務省の担当者へのインタビューを行う。 加えて、時間に余裕があれば、タイとマレーシアを訪問する。タイでは、安全保障国際問題研究所(ISIS)に拠点を構える。マレーシアでは、戦略国際問題研究所(ISIS)に拠点を構え、ISIS研究員からアドバイスを受けながら資料収集をする。また、外務省の担当者へのインタビューを行う。 日本ではデータベース利用する。欧米の新聞・雑誌の、90年代以降の記事は、大学の図書館が契約しているデータベースからアクセスできる。80年代以前の記事については、必要に応じて、それぞれの新聞・雑誌のデータベースに直接アクセスする。収集した資料の「内容分析」(content analysis)を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビューと資料収集のために、インドネシアとシンガポールを訪問する。
|
Research Products
(1 results)