2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際社会における規範の伝播 ――ASEANによる西側の規範の「真似採用」
Project/Area Number |
23530196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝間田 弘 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (40579108)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 構成主義 / 東南アジア諸国連合(ASEAN) / 規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(H27/2015年度)は、最終的なまとめに入った。まず、理論的な枠組みについてだが、社会学の制度論や、社会心理学の実験結果にもとづく研究成果を援用しながら枠組みを固めていった。これまでの文献を整理し、論点をまとめ、独自の観点から理論的な要素を抽出していった。とくに社会心理学の研究成果からは、最終年度にもかかわらず新たな知見を得ることができた。これまでの関心であったシンボル相互作用論と関連する研究に限らず、自己認識やアイデンティティといった論点に関する多様な文献から学ぶことができた。 次に、事例研究についてだが、最終的な仕上げに入っていった。研究対象や探るべき論点に大きな変更はない。1990年代から2000年代にかけて、ASEANの当局者たちは如何なる問題を認識し、どのように対応していったのか。国際社会におけるASEANのステータスをどのように理解し、何を求めて行動したのか。これらの論点を詳細に詰めていった。なお、本務校の都合でデータベースへのアクセスに限界があったことは否めない。だが、最低限の必要な作業は終わらせることができた。 また、各国の研究者からのアドバイスに則り議論を修正していった。国際学会への参加など様々な形で海外の研究者と積極的に交流することにより、多くの有益なアドバイスを受けたのが奏功したといえる。なお米国アトランタで開催されたISA (International Studies Association)の年次会合では、非伝統的安全保障をテーマにしたパネルにおいて論文を発表。討論者やフロアーの参加者に加えて、パネリストからも有益なコメントを得ることができた。
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Research Products
(1 results)