2014 Fiscal Year Research-status Report
近代日本のグローバル化と都市間交流の基礎的研究~国際港都横浜とアメリカ
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23530200
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
大西 比呂志 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (70201978)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 横浜 / 外国人社会 / インターナショナルスクール / ミッションスクール / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、国際港都横浜の特質を明らかにするため、第1に横浜の外国人社会の歴史資料の所在調査と資料収集を行った。横浜の山手にあったインターナショナルスクールを経営するマリア会日本地区本部シャミナード修道院(東京都千代田区 富士見1-2-43)から、20世紀前期の学校関係文書をマイクロ複写し、これを分析した。その研究成果は『横浜と外国人社会』(日本経済評論社、2015年3月)において発表した。 第2にアメリカへの資料調査として、2014年9月アメリカ・ミシガン州ホランド市、アナーバー市に出張した。①ホランド・ジョイント・アーカイブスには、アメリカ改革派教会の日本ミッション記録及びフェリスに赴任した多くの関係者(宣教師、教師)の資料がある。また戦前期にフェリスから留学した卒業生の記録もあり、それら横浜とアメリカの民間交流の記録を多数蒐集した。 ②ミシガン大学はアメリカでも屈指の日本研究の中心センターであり、日米戦争のさなかにアメリカ陸軍日本語学校が設置されたことで知られる。今回は、同大学亜細亜図書館の専門司書鈴木真理氏に面談、日本関係資料の所在状況などにつき長時間にわたりアドバイスを受けた。さらに2015年2月にはハワイへの調査を行った。同地ではUniversity of Hawaii Hamilton Library で横浜ミッション関係資料の提供を受けた。またHawaiian Mission Houses Archives を訪問し同館Arcivisitより資料提供を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
都市に内在する外国人社会の構造を明らかにする上で、インターナショナルスクールとミッションスクールの歴史や構成を明らかにすることが、有効な素材であることがわかり、多数の関係資料を国内およびアメリカで発見でき、収集することができた。 またアメリカの個人所蔵の資料についてもいくつかの有力な情報を得て収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、横浜とアメリカ都市との国際交流、外国人社会の研究について多数の資料を収集することが出来たが、この補充調査を行い、またさらに論文として研究成果を公表する。また価値の高い資料については順次、復刻して公表する。
また横浜を事例として研究を進めてきたが、アメリカと日本の国家レベルでの関係史に位置づけるために、アメリカの国立公文書館の国務省など政府公文書、日本の外務省外交史料館での外務省文書などで、あらためて国家と自治体の国際交流事業について調査研究を行う。
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