2013 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの対アフリカ外交史研究-フォカール文書の調査
Project/Area Number |
23530203
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
加茂 省三 名城大学, 人間学部, 准教授 (10410771)
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Keywords | フォカール / フランス / アフリカ / 外交史 / チャド / ド・ゴール |
Research Abstract |
本研究は、フォカール文書というフランス政府の非公開文書を調査することで、ド・ゴールおよびポンピドー大統領期のフランスの対アフリカ外交史の再構築を目的とするものである。平成23年から平成25年にわたり3回のフランス現地調査を行い、主としてフランスの対チャド外交に関連するフォカール文書を調査するととともに、関連史料として、フランス外務省外交史料館、フランス国防省国防歴史室もあわせて調査した。 最終年度は8~9月にフランスで現地調査を行った。しかしフォカール文書の所蔵先であるフランス公文書館の移転作業が平成24年夏から始まり、平成25年夏の段階においてもなお整理中という状態が続いたことから、フォカール文書に十分なアクセスはできなかった。他方でフランス外務省外交史料館では十分な調査することができた。また滞在中にはフランスの著名なアフリカ研究誌である"Afrique contemporaine"誌編集長から研究成果の投稿依頼があり、現在投稿の準備をすすめている。 最終年度の研究成果に関しては、10月25日に開催された日本国際政治学会2013年度研究大会において「ド・ゴールによるフランスのチャド介入―フォカール文書の調査から―」とのテーマで報告を行った。また、現時点までに入手した史料に依拠した、次の学術論文2編を公表した。加茂省三「ジャック・フォカールとフランスのアフリカ外交―虚像と実像の狭間で―」『人間学研究』(名城大学人間学部)第11号、2013年12月、29-45頁。加茂省三「アフリカの安全保障とフランス」『国際安全保障』(国際安全保障学会)第41巻第4号、2014年3月、19-35頁。 未閲覧のフォカール文書に関しては、公文書館員とは連絡をとり続けており、閲覧が可能となり次第、調査のために渡仏する予定である。その成果と既存発表論文をあわせて単行本にまとめたいと考えている。
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