2012 Fiscal Year Research-status Report
携帯電話を用いた経済実験ツールの開発及びその有効性の検証
Project/Area Number |
23530213
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 明宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (30312721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 直史 山形大学, 人文学部, 准教授 (70344778)
高橋 広雅 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80352540)
小川 一仁 関西大学, 社会学部, 准教授 (50405487)
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Keywords | 経済実験 / 教育実験 / 携帯電話 |
Research Abstract |
近年の実験経済学の発展により、実験は困難であると考えられてきた経済学においても自然科学のような研究室実験が行えるようになった。また、最近学生に経済主体を演じさせる教室実験が注目されている。しかし、実験におけるPCの利用には設備の設置・維持費用や利用時間の制約といったハード面での制約が発生する。また、「紙と鉛筆」による実験では、結果の集計とそのフィードバックに時間がかかる。そこで、本研究では携帯電話ネットワークを用いた経済実験ツールを開発し、既存の実験手法と特性の違いを検証すると共に、実際の教育環境で使用しその教育効果についても検証する。それにより、経済実験への参入障壁・講義担当者の負担を低減させると共にツールの有効性を調査することを目的とする。 本研究によって、上記の参入障壁や実施コストを低めるだけでなく、一度の実験でサンプル数を大幅に増加させることが可能となる。さらに、教育実験を行うことで学生の経済学への興味と関心が高まり、経済学教育の底上げが図られると期待できる。 24年度は昨年度立ち上げたサーバー上で引き続きプログラムを稼働させているが、実験実施のためのプログラムはまだ実働レベルとは言いがたい状況である。昨年度に引き続き今年度も帝塚山大学・広島市立大学。山形大学の各大学で実験を行った。研究成果については東北学院大学で行われた数理社会学会第55回大会において研究成果の報告を行った。当該論文は同学会の雑誌『理論と方法』に投稿中である。また、別の実験結果がThe Journal of Socio-Economics 41(6)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラムについてはサーバーの立ち上げや実験参加者募集プログラムの稼働など行ったところであるが、実験プログラムの作成作業がまだ遅れている。実験の実施については、ほとんどの大学でほぼ予定通り行えた。ただし、石巻専修大学では実験が困難であるため、他大学での実験を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の早いうちに実験プログラムを完成させるために、一般的かつ簡単なゲームにしぼって作成する。また、比較用に完成を待たずに既存の環境でも、実験を行っている各大学で早急に簡単な実験を実施予定である。実験の実施が相変わらず困難である石巻専修大学についてはあきらめ、他大学(岩手県立大学を予定)に切り替えることとしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の大まかな使用計画は、プログラムの実装、PCと携帯電話での実験実施、成果報告の3つが挙げられる。 プログラムの実装については早めに行うとともに、現在立ち上げているサーバー一つだけで動かしすべての実験実施者と実験参加者はそこからアクセスしてもらう方式にすることでとりあえず正常動作を目指すよう昨年度より変更している。そのため、プログラムソースの公開という点では動作環境が限定されるため当初計画より遠ざかるが、実験実施者が別途サーバーを立ち上げる必要がないため実験への参入障壁を低下させるという意味では改善する。 実施についてはほとんどの大学では24年度と同様に実施できる見込みである。実施できない大学については今後の研究の推進方策でも述べたとおりに別途確保する。 成果報告についても24年度と同様かそれ以上を見込んでいる。
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Research Products
(5 results)