2011 Fiscal Year Research-status Report
GDPボラティリティーと在庫変動に関する国際比較研究
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23530221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宜名真 勇 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (30127758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小瀧 光博 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (00194564)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Unit Root Test / Endogenous Breaks / BCa Confidence Interval / Oroduction Smoothing / GDP Volatility / Inventory Investment / Relative Volatility |
Research Abstract |
研究代表者:生産量および販売量の時系列に対する単位根検定のためのプログラムを、トレンド・ブレイクのない場合(ADFモデル)、非確率的なトレンドが1つの内生的ブレイク点を持つ場合(Zivot and Andrewsモデル)および非確率的なトレンドが2つの内生的ブレイク点を持つ場合(Lumsdaine and Papellモデル)のそれぞれについて推定および(臨界値算出のための)シミュレーション用に2通りづつ作成した。これらのモデルはそれぞれゼロ、3,および9通りのブレイクの型を持っており、各々について2セットのプログラムを用意し、シミュレーション・プログラムの適否を検証するため諸文献所収の各種臨界値との照合を行った。また、BCa信頼区間を推定するためのプログラムを作成した。これらの作業を終えた後、主題(2)在庫投資がGDPボラティリティーに及ぼす影響に関する先進諸国と途上諸国の間の差異に関する一応の計測を先進諸国と一部の途上諸国に関して終了した。ここでは計測と分析上の効率性を考慮して、主題(2)の計測に対して(1)の推定を先行させる変更を行った。研究分担者:上記の単位根検定の各モデルに非確率的な季節ダミー変数を導入する場合、単位根検定のいわゆるτ値の漸近分布がこの季節ダミー変数の存在によって影響されないことを統計理論的に確認した。併せて上記の各種プログラムの作成に協力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的における主題(1)は先進諸国の1980年代半ば以降の期間におけるGDPボラティリティーの減少に関する検証であり、時系列データをこの期間とそれ以前とに分割して取り扱う必要があるが、主題(2)は先進諸国と途上諸国の間における在庫投資とGDPボラティリティーの間の関連に関する差異の分析であるため時系列データの全期間を用いてトレンドのブレイク点を検証する。このため作成した単位根検定のためのプログラムをブレイク点の計測に先ず適用するため主題(2)を先行させることとした。ここでの計測結果は主題(1)のための推定・分析作業を行う際にも有用となる。先進諸国に関して生産平準化ではなく逆の結果が得られるという諸文献上の報告は、この研究における分析法を用いた計測においても、統合後のドイツ以外のG7諸国において確認することが出来た。ドイツに関する結果を今後統合前の西ドイツのデータを用いた分析と照合することで統合が生産平準化現象にもたらした意味を検証することも可能である。また、これらの計測作業を通して各種の単位根検定や信頼区間の推定を行う場合のデータの取り扱いやプログラムの操作性の向上が達成されたことは、主題(2)に関する途上諸国のデータの分析や主題(1)に関する先進諸国のデータに関する特定の期間区分に対応した分析においても有益である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における主要な検定と推定作業に必要なプログラムの構築は初年度において終了しており、それを用いて主題の(1)と(2)に関する計測を継続する。具体的には、主題(2)に関して数多くの途上諸国に関するデータの検定と信頼区間の推定を進める。主題(1)に関しては1980年代半ば頃を境にした期間区分を行い、先進諸国に関してGDPと販売量のボラティリティーの比率が、GDPボラティリティー単独の場合と同様の変化のパターンを持っているか否かを検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多くのデータを取り扱う単位根検定に必要な臨界値の算出には多大な時間が必要であることから、計算に用いるPCを増設して同時並行的に計算を進めることが望ましい。その為PCの購入に物品費として研究代表者が180,000円、研究分担者が100,000円使用する。また、内外の研究者との交流および学会出席等にそれぞれ100,000円と70,000円を使用する。データの管理や整理の人件費として研究代表者が20,000円を支出する。
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