2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530253
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00283680)
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Keywords | 検定 / 正則条件 / 回帰関数 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は新しい回帰関数の関数型に関する新しい検定の開発である。回帰関数の関数型に関する多くの検定はパラメトリックな対立仮説を設定している。その場合、本当のデータの生成が対立仮説のパラメトリックモデルによるものであれば、強い検出力を持つが帰無仮説が誤っていても検出できないようなデータの生成過程が存在する。それに対して、本年度開発した検定は帰無仮説からのどのような乖離も漸近的に棄却できるオムニバス検定となっている。 既存のこの種の検定には主にノンパラメトリック回帰を使うものと、経験過程を使うものがある。ノンパラメトリック回帰を使う検定、例えばHardle and Mammen (1993)やZheng (1996)、はnの-1/2乗で近づく局所対立仮説は検出できない。それに対して経験過程を使うアプローチ、Bierens (1990)やStute (1997)、ではnの-1/2乗で近づく局所対立仮説は検出できるが、帰無仮説からの乖離の方向によって検出力に大きな違いがある。 本年度の研究で開発した検定は帰無仮説からのどのような乖離の方向でも一様に検出力を持ち、かつノンパラメトリック推定を必要としないために簡単に検定を行うことができる。検定統計量はパラメトリックモデルからの分散とノンパラメトリックモデルからの分散の差で構成される。この検定は帰無仮説からのどのような方向への乖離に対しても一様に検出力を持ち、nの-1/4乗で近づく局所対立仮説を検出できる。nの-1/4乗は滑らかでない対立仮説を含む場合の最適minimax速度となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は研究代表者の入院により、研究の進行が遅れたが、本年度は昨年度の遅れを取り戻すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降はまず、24年度の成果をもとにして回帰曲線の連続性と微分可能性の検定を研究する。まず、ノンパラメトリック回帰の枠組みで被説明変数yの説明変数xが与えられた状態での条件付き期待値E[y|x]を回帰曲線 m(x)とし、m(x)が特定の点x=x0で連続、または部分可能性の検定を導出する。 これは以前に行った特性関数の微分可能性の検定と同じようにx0の右側だけのデータを使ったlocal polynomial estimator と左側だけを使った local polynomial estimator の差を使って検定できると思われる。ただし、ある点での微分可能性ではなく[xa,xb]のような区間内で連続、または微分可能を作る場合はもう一段の拡張が必要となるが、おそらく点xでの検討計量をT(x)とすると、sup{x_a<x<x_b} T(x)という検定統計量を作ることで可能になると思われる。ただし、sup{x_a<x<x_b} T(x)の棄却域を決めるためには漸近分布の導出だけではなく、Bootstrap (Efron (1979), Hall (1992))を用いる必要があることが予想される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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