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2011 Fiscal Year Research-status Report

日本の家計の住宅ローンタイプの選択と住宅取得及び住宅ローン需要行動の実証分析

Research Project

Project/Area Number 23530257
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

森泉 陽子  神奈川大学, 経済学部, 教授 (20166383)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords住宅ローンタイプ選択 / パネルデータ / プロビット推定 / ミックスト・ロジット推定 / 所得リスク / 金利リスク / 危険回避度 / 資産選択
Research Abstract

近年,日本の家計の住宅ローン選択行動に変化が生じている.住宅ローン市場において,変動金利ローンのシェアーが急増している.危険回避度の低い借手が借りると言われている,変動金利タイプが増加している点に注目し,日本の借手の住宅ローン選択行動を分析し,海外の結果と比較することにより日本の借手行動の特徴を明らかにする 住宅ローン選択行動を,所得リスクと金利リスクの2つのリスクを中心に説明するが,本分析の特徴は,従来の実証研究で十分考慮されなかった所得リスクに重点を置いた点にある.23年度実施計画のうち,推定の為のデータベース作成はほとんど終了した.それ以外の実施計画については,以下の3つに分けて記述する.1,国交省の個票データが利用可能となったので,24年度計画を前倒しして,所得リスクと金利リスクを説明変数に導入してミックストロジット推定をした.近年は,様々なタイプのローンが数多く市場に存在していることから,固定金利ローンを複数の期間固定型に分けて,変動金利タイプ と期間固定タイプの選択行動(4択)を分析した.結果は金利リスクはローン選択に有意に影響を与えたが,所得リスクの効果については満足な結果が得られていない.2,慶応大学パネルデータを用いて,前述の2つのリスクを説明変数に加えてパネルプロビット推定を行った.結果から,変動金利タイプを選択する傾向の強い日本の借手行動は,金利リスクのみでは説明することは出来ず,所得リスクの影響が大きいことが示された.また,危険回避度を推計し推定に導入した結果,回避度が高いほど固定金利タイプを選択する傾向が検証された.3,住宅ローンは家計にとって,負の資産である.住宅ローン選択と住宅取得の分析は,家計の資産選択の枠組で把握し分析することも重要である.住宅ローンと住宅取得を資産選択の枠組みで実証分析を試みた.結果は学会のワークショップで報告した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1,推定のためのデータベース作成は,ほぼ完了している.国交省の個票データ,慶応大学パネルデータに幾種類かの外部データを貼付した.しかしながら,金利リスクについては,データベース作成は未だ十分とは言えない.金利のマッチングの方法を再検討中である.2,推定に関して,国交省個票を用いる分析は,24年度に行う推定作業を前倒しすることができた.しかしながら,住宅ローン選択モデルの推定において,「無関係な選択肢からの独立」の仮定を回避するために,ミックスト・ロジットモデルを採用したのであるが,推定作業は収束しないケースが多く,試行錯誤の段階である.また,ミックスト・ロジット推定で,ローンタイプの選択とローン需要関数の同時推定のためのプログラムは未だ開発できていない.慶応大学パネルデータを用いた推定作業も前倒しして実施することが出来た.推定作業は概ね順調であるが,金利リスク変数作成のための金利データ貼付に関して,マッチング方法を再検討中である.また所得リスクの尺度を失業リスクも含めたものとするための推計作業が必要である.前倒しして実施した2つの推定作業について,ミックスト・ロジット推定については,満足な結果が得られていないので,3択モデルに変更し推定することを検討している.パネルデータを用いた推定については,失業リスクも含めたより幅広い所得リスクを計算して,モデルを再推定する.資産選択の枠組みを用いた実証分析については,ワークショップでの議論を踏まえて改良する.3,海外の住宅ローン分析の実証分析と比較し,日本の借手行動の特徴を明らかにすることに関しては,文献を精査中である.

Strategy for Future Research Activity

24年度は,引き続き国交省個票データを用いたミックスト・ロジット推定を行う.プログラム開発は連携研究者に依頼する.並行して慶応大学パネルデータを用いて,借手の所得リスク,危険回避度に重点を置いたパネルプロビット推定を行う.慶応大学パネルは,24年度は新しいデータが加わることから,このデータの整備も必要である.その際に,新たに連携研究者に協力を依頼する計画である.パネル分析については,借入額/住宅価格(LTV)との同時推定等の新しい推定を試みる.連携研究者と共同で行う.住宅取得と住宅ローン選択については,慶応大学パネルデータを用いて,資産選択の枠組みで分析を進展させる.ワークショップでの議論を踏まえて分析を進展させる.連携研究者と共同で行う予定である.これらの実証分析の結果は海外の学会で発表予定である.海外の実証研究との比較研究については,24年度は新たにオーストラリアの研究者と共同研究を開始する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

23年度は,海外との比較研究で,イギリスの実証分析と日本の実証分析の比較を開始することを計画していたが,協力を期待していた研究者がイギリスを離れたため中断を余儀なくされた.しかしながら,当該研究者がオーストラリアの大学へ移籍したため,共同研究を再開することになった.したがって,24年度は,オーストラリアの大学(メルボルン大学)を訪問し,共同研究を開始する予定である.したがって,23年度の未使用の研究費をこのための旅費に充当する計画である.この際に,連携研究者も同行する予定であるので,その分旅費への支出が増加すると思われる.また,それに伴い海外の住宅市場とそれに関連するテーマについて,文献購入への支出も計画している.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Optimal consumptin and portfolio choice in the presence of housing: Evidence from Japanese household2012

    • Author(s)
      直井道生,森泉陽子
    • Organizer
      European Network for Housing Research, Housing Economics Group Workshop
    • Place of Presentation
      ウィーン
    • Year and Date
      2012年2月22日~24日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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