2013 Fiscal Year Annual Research Report
都市計画規制に関する経済分析:主に交通混雑の次善政策として
Project/Area Number |
23530265
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 陽 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (60302204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
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Keywords | UGB規制 / FAR規制 / ファストベスト / セカンドベスト / 最適化 / 混雑料金 / 燃料税 / 保有税 |
Research Abstract |
UGB(Urban Growth Boundary)規制をエリアCBDの状況の下で依然として有効なセカンドベスト政策であるかどうかは本研究の目的の一つである。Joshi, K-K., Kono,T.(2009)の研究を基にCBDをエリアを持つものとし、労働者の賃金率を内生化したモデルを構築し、分析を行った。結果は我々が予測した通りでUGB規制をかけると、各立地点の人口密度が調整され、都市サイズが縮まり、その影響を受け、CBDエリアも縮小する。コンパクトシティは混雑緩和に正の働きをする一方、CBDエリアが縮まるため、CBDエリア外側から通勤する消費者にとって通勤距離が長くなる。ゆえに通勤距離の増加は消費者の厚生水準を減少させ、UGB規制の効果を薄める。もしCBDエリアの縮小による力がUGB規制の働きより強ければ、UGB規制は有効なセカンドベスト政策でなくなるという結論が得られた。今までのUGB規制が交通混雑を緩和するという定説は覆された。 さらにUGB規制、ファストベスト政策である混雑料金の徴収とFAR(Floor, Area Rate)の現実効果について数値シミュレーションを行って検証した。FAR規制は混雑料金の7割以上の効果が達成でき、UGB規制は混雑料金の1割の効果しか達成できず、FARとUGBを併用する提案は混雑料金の8割以上の効果が達成できるということが確認された。 このほか、現実のデータを用いて日本現行の高速道路料金、燃料税と自動車の保有税を評価した。最適化による結果は高速道路料金が7~13円/km、燃料税が68~103円/l、保有税が年間8300~21200円という結論が得られた。現状に比較すると、高速道路料金と保有税が大きく現行水準を下回るのに対して、燃料税が若干上回った。
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