2013 Fiscal Year Research-status Report
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23530269
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大石 亜希子 千葉大学, 法経学部, 教授 (20415821)
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ / アジア / 女性労働 / 格差 / 子ども / ソーシャル・クオリティー |
Research Abstract |
平成25年度の研究実績は以下の通り。第1に、子どものいる世帯の中でも貧困リスクが高いことで知られる母子世帯に着目し、離別した父親からの養育費徴収を強化した場合にどの程度の貧困削減効果が見込まれるかについて、平成24年度に作成したシミュレーションの改訂を行った。結果の一部を紹介すると、米国タイプの養育費ガイドラインを導入することにより、現在は60%弱に達する母子世帯の貧困率を最大で15ポイントほど引き下げることが可能なことが分かった。成果論文は国立社会保障・人口問題研究所のディスカッション・ペーパーとして刊行したほか「週刊社会保障」に寄稿し啓発と普及に努めた。 第2に、日韓台香港における女性の就労とワーク・ライフ・バランスについて、Asian Consortium for Social Quality で作成された国際比較データに基づく分析を行い投稿・採用された。第3に、National Bureau of Economic Research(全米経済研究所)ニューヨーク支所に滞在し、女性の就労パターン変化と子どものウェルビーイングについて現地の研究者と意見交換を行い、共同研究の手法について調整を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外研究者を招へいして国際ワークショップを開催する予定であったが、先方とのスケジュール調整が不調で実施できなかった。また、マイクロデータの目的外使用申請を行ったが、許可の出るのが遅れたため、ライフサイクルにおける所得格差の分析が遅れている。このため、平成26年度に実施できるように研究期間延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、引き続き世帯形成プロセスと世帯間所得格差の関係および母親の就労パターンが子育て世帯間格差に及ぼす影響について、マイクロデータを用いた分析を進める。また、海外研究者を招へいして研究成果のとりまとめとブラッシュアップ、普及を兼ねた国際ワークショップを開催する。母子世帯の貧困については、7月の国際会議で報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
招へい予定であった海外研究者のスケジュール調整がつかなかったため、旅費と国際ワークショップ開催費用が残った。 海外研究者の招へいを行い、国際ワークショップを開催する。
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