2012 Fiscal Year Research-status Report
規制の決定要因と規制とパフォーマンスの関係に関する実証研究
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23530276
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水谷 文俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60263365)
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Keywords | 規制 / パフォーマンス / 費用 / 公益事業 |
Research Abstract |
本研究は3年計画で進める予定であり、2年目は規制政策の変化のまとめや整備されたデータをもとに、公益事業における規制政策分析や規制の決定要因や規制が費用に及ぼす影響に関する分析を行うものである。24年度に行った具体的な研究活動は次の4つである。 まず第一は、初年度までに行った日本の公益事業の規制改革の政策変遷のまとめを著書としてまとめたことである。 第二は先行研究の整理の中で、特に重要となる電力事業の構造分離に焦点を絞り、発送電分離が費用やパフォーマンスに与える影響を取りまとめた。 第三は、日経NEEDSデータを中心として1988年から2002年にかけて収集した公益企業及び非公益企業のデータベースを用いて、規制の影響分析を行った。ここでの初期分析では、先行研究の整理を行う中で、「規制」の他に、「ガバナンス」、「競争」、「多角化戦略」という要因も含めた分析を行った。 第四は、ヨーロッパ及び日本の鉄道産業のデータベースを構築し、広義の規制政策の中で、上下分離政策が列車密度に大小に応じて費用にどのような影響を及ぼすのかを分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の計画は、年度ごとにやるべき内容を記載している。この計画での進捗状況を比較し、評価すると上記の結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の初期分析をもとに、実証モデルとして完成させる。 まず、第一は、公益企業と非公益企業のデータのモデル分析として費用関数を推定する。そして、費用に影響を与える要因として「規制」が、「競争」、「ガバナンス」、「多角化戦略」と比べてどの程度影響があるのかを把握する。初期分析では、公益企業と非公益企業のサンプルバランスの違いが結果に影響を与えることがわかったので、その点を考慮して分析を行う。 第二は、前年度実施したヨーロッパ及び日本の鉄道産業のデータを用いておこなった分析、すなわち、上下分離政策が列車密度に大小に応じて費用にどのような影響を及ぼすのかを論文としてとりまとめる。 第三は、公益事業における規制の決定要因として何が重要であるかを先行研究結果をもとに論文としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の繰越研究費は総額14万円を予定している。分析結果の補助に大学院生のRA費として7万円を想定している。また、分析結果に関してその妥当性を事前にチェックする必要がある。そのため、国内の専門家から、分析結果に対して適切なコメントをもらうということが重要である。専門家からアドバイスをもらうための国内旅費として7万円を予定している。
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