2011 Fiscal Year Research-status Report
特許の出願行動と企業パフォーマンスに関する国際比較研究
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23530278
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
張 星源 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 特許出願行動 / 企業パフォーマンス / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究では、特許の出願行動と企業のパフォーマンスとの関係について、特許データベースPATSTATをはじめ、日米欧という特許三極のデータを活用し、企業レベルのデータに基づく国際比較分析を行い、日本企業の国際競争力を検討する目的とする。23年度では、既に手元にあるPATSTATのApril,2011版を用いて、日本製造業企業レベルの日本特許庁、アメリカ及びヨーロッパ特許庁に出願している特許の情報をNEEDSにおける日経コードに名寄せ作業を行った。また、出願、公開、登録時間、及び特許クラス等の項目について、データ整理を行った。さらに、優先権情報及びDietmar Harhoff の特許Equivalentsデータベースを活用し、日本製造企業の三極特許ファミリーデータの作成を試みた。同時に、企業の国際出願モチベーションについて、国際競争力視点から国際貿易及び海外直接投資要因、特許出願におけるライバル国、企業との競合関係等に関する先行研究のサーベイを行い、実証分析の手法として、GravityモデルやSpatialモデル等の動態的な空間モデルの応用方法を考案した。さらに、日本製造企業パフォーマンスに関連するTobin's Qの計算方法に関する先行研究のサーベイを行い、NEEDS等を用いて1995年~2007年までの約2000社のTobin's Qの計算を行った。また、Olley and Pakes (1996)を参考し、企業の全要素生産性(TFP)の計算も試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画に比べ、やや遅れている理由としては、まず、アメリカ、ドイツ企業の経営情報の収集について、協力者である連携研究者との連絡調整がやや不備があったことである。特に、東北地方太平洋沖地震のことで、連携研究者の来日及び日本での打合せの日程をうまく調整できず、結果的に24年度に回すことになった。また、新しいバージョンのPATSTATの購入についてやや時間かかったことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、連携研究者との連絡調整を再確認し、アメリカやドイツ企業の経営情報収集を幾つかの限定的な作業に絞り、国際比較分析に必要となる情報収集を急務とする。頻繁に連携研究者との情報交換及び海外企業の情報収集にあたり、平成23年度から繰越された研究費に24年度の研究費を合わせ、旅費などに活用する予定である。次に、データの整理・分析を行うために新たにパソコン及び応用ソフトの購入を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度で整理された日本企業に関するデータ、また、24年度前半収集されるアメリカおよびドイツ企業に関するデータに基づき次のような研究テーマを中心に順次に実証分析の計画を遂行する。(1)、特許間引用、出願ルート、特許ファミリ等の要因と企業の短期及び長期的なパフォーマンスとの関係;短期および長期的なパフォーマンスについては、デーリー超過リターンとトービンQを利用する予定である。公開された後の特許情報に、出願のルートなどを加え、両者の時系列的な因果関係を探る。(2)、企業の出願ルートや特許ファミリ等の出願戦略の変化及び決定要因;近年における日本企業の出願戦略の変化に分析の重点を置く。特に、出願ルートおよび特許ファミリ構築について、企業の海外事業展開との関連性も検討する。特に、各国の企業の知財戦略の中国などの新興国への海外展開に重点を置き、その変化が企業の経営パフォーマンスにもたらした効果を解明することを試みる。
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