2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530281
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三上 和彦 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (30229653)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 協同組合 / 非営利組織 |
Research Abstract |
本研究課題では、「協同システムの制度設計」と「非営利組織の原理的考察」という2つのサブ・テーマを設定している。 「協同システムの制度設計」について: 昨年度は、労働者協同組合におけるメンバーシップ市場と資金調達の問題に焦点を当て、研究を進めた。私は、2010年に、消費者協同組合におけるメンバーシップ市場を通した資金調達の原理について考察した論文を専門誌に発表した〔"Capital Procurement of a consumer cooperative: Role of the membership market" Economic Systems, Vo. 34, No. 2, pp. 178-197〕。今回の研究は、いわば、この2010年の論文の労働者協同組合版であるといえる。理論的考察を進めるかたわら、事例研究として、イタリアのゴンドラ協同組合を取り上げ、その内容を検討した。さらに、後者については現地入りし、現場の視察や関連する事業体において聞き取り調査などを行った。現在は、現地調査で得た資料(イタリア語)の翻訳を依頼しているところである。 「非営利組織の原理的考察」について: 先行文献の収集・検討からはじめ、これらを分類したのち、独自の観点より二本の論文を執筆した。このうちの一本は、一般的な非営利組織を対象としたものであり、これについては複数の研究会において報告した。もう一本の論文は非営利病院を対象としたものである。これら二本の論文は、いずれもディスカッション・ペーパーにまとめ、現在は海外の専門誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「協同システムの制度設計」については、理論的考察がある程度まとまり、これに関連する海外事例調査も無事終えることができた。現在は、これらの結果を論文の形にまとめる作業にあたっている段階である。 「非営利組織の原理的考察」については、すでに2本のディスカッション・ペーパーを完成させ、投稿先からの返事待ちの状態である。 以上の研究活動より、ある程度の成果は上がっていると考えてよいのではないかと思われる。ただし、まだいずれの論文も刊行されたわけではないので、最高位の「当初の計画以上に進展している」とまでは言えないものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
「協同システムの制度設計」については、現在まとめている論文が仕上がれば、専門誌に投稿する予定である。その次の課題としては、もう一度、消費者協同組合におけるメンバーシップ市場を通した資金調達の問題に戻り、昨年度新たに得た知見を踏まえ、理論モデルの改善を検討したいと考えている。 「非営利組織の原理的考察」については、投稿先からの返事を見たうえで、必要に応じて論文の改訂作業に当たっていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度実施額は、3月31日までの支出である。完了されたものについては次年度4月以降に支出される。 「物品費」については、コンピューター関連消耗品や資料の購入を予定している。 「旅費」に関しては、欧州またはアジアの企業・事業体(協同組合、非営利組織を含む)に関する現地調査を予定している。 「謝金」については、英文校正料、英語以外の言語で書かれた資料の翻訳料、英語以外の外国語が必要となる現地調査における通訳料、専門的知識の提供に対する支払いなどを予定している。 「その他」については、論文の投稿料、データ通信料、文献の郵送料・配送料、海外調査における旅行保険料などを予定している。
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